先ちゃんこと江口寿史(43)、徳さんこと徳丸真人(42)。かたやめったに描かない漫画家、かたや元一流企業のサラリーマンから寿スタジオに転職したという奇特な男。生まれも育った環境も、ライフスタイルも違うこの二人。しかし同じくニューウェーブでロックに目覚め、フュージョンにちょっと浮気をし、テクノポップに血沸き肉踊らせ、ネオアコに胸しめつけられるという共通の音楽体験をして来た男達であった。良く言えば流行に敏感。早く言えばただのミーハーという点において、似たような感覚をもつこの二人のオヤジが、独断と偏見でロックを語り倒します!

T: というわけで、始めますか。えーでも、あらたまって話そうとするとテレるっちゅーか、やりずらいね。
E: 前にマイクとか置いてあるとつい、ね。意識しちゃってね。誰が見てる訳でもないっちゅーの(笑)。
T: まぁ、1回目だから、そういうのもいいかもしんないけどね。初々しくて(笑)。
E: じゃ、そういうことにしといて(笑)。とりあえず俺達、年がほとんど一緒ってのもあるけど、お互い、こう、少しずつ違うにしてもだいたい同じモノ聴いてきてるよね。
T: そうだね。
E&T (二人で笑い出してしまう)
T: だめだ(笑)。どうしてもテレる。慣れん。
E: じゃあ世間話みたいにいこうよ。普段喋ってるみたいにさ。
T: そうだね。そうしよう。はい、じゃ、どうぞ。
E: 最近どお?いいCDある?
E&T (爆笑)
T: いちいち喋ったあと、テレコ見なくてもいいんだよ、もー(笑)。あーキリないからじゃあ、まず江口さんの漫画にはよくミュージシャンとか、好きなレコードとか出てきますよね、とか、今までさんざん聞かれてきたと思うんだけど、今現在、好きなミュージシャン、不変的に好きなミュージシャンと、今、旬で好きなミュージシャンと二つ挙げてもらいましょか。
E: うーん、苦手なんだよ。その手の質問。好きなのいっぱいいて絞れないからさぁ。でもまあ、一番基本になってるというか、どうしても一個残せって言われたらビーチボーイズかなぁ、やっぱ。
T: ビーチボーイズ。なるほど。
E: ブライアン・ウィルソンていうかね。
T: ああ、ビーチボーイズというよりブライアン・ウィルソンなのね。
E: や、というか俺はあんまり分けて考えてないんだけど。ブライアン・ウィルソンひとりでやった「ペットサウンズ」も好きだけど初期のビーチボーイズも同じくらい好きだし。でもブライアン・ウィルソンが完璧に引っ込んじゃった後のビーチボーイズはやっぱりちょっとな。「ココモ」とか、あのへんのはもう、どうでもいいからなー。やっぱりブライアン・ウィルソンということになるのかなあ。
T: じゃあ、もう、それは不変のNO.1だと。
E: そうだね。
T: はい、わかりました。じゃあ、次、サクサクいくよ(笑)。今、旬で好きなアーティストは。
E: 椎名林檎!!
E&T (爆笑)
E: もう結論が出た(笑)。
T: は〜い(笑)。なんか俺、コーンって鳴るヤツ置いときたいよ。今、鳴らすとこだったよ(笑)。
E: (笑)。や、でも今ねえ、洋楽で夢中になれるのない。はっきりとこれはない。ハイラマズが最後かな、ここ何年かじゃ。俺は今、邦楽の方が面白いな。
T: ハイラマズだってもう2年?3年か?それくらい前だもんね。
E: うん。それとマウスオンマーズとか、あのへんのつるんでる奴らね。あいつら以降あんまり、これはっていうの、いないな。
T: う〜ん、そおねぇー、確かにそうなんだよね。
E: 今年に入ってから、ジム・オルークはちょっとよかったけどね。
T: 「ユリイカ」ね。でもハイラマズほどにははまらなかったでしょ?ン?ハイラマズほどにはハマラズ?
E: ハイハイ(笑)。ちゅうワケで今、旬で好きなのは椎名林檎でやっぱいいや。
T: うん、結論出たねえ。じゃ今度、俺ですけど、俺はもう、心のベストワンは完っ壁にプリファブ・スプラウトなのね。でね、俺はもう、2位までは決まってるの。3位以降はもう、江口さんと一緒で決められないんだけどさ。
E: ほう。で、2位は?
T: ニューオーダー
E: あ、そうかあ。
T: これはもうね、双璧っちゅーかね、このふたつが厳然としてあるね。
E: あれ?あれはどうなの、ストーン・ローゼズは?
T: ローゼズはやっぱり、あの当時、旬で好きだったもんだよね、だから。
E: あー、そっかそか。
T: で、今、旬で一番好きなのが椎名林檎。
E&T (爆笑)
E: 一緒やん!!結局それやん!!
T: やっぱこれにつきますね。基本的には江口さんと俺、好きなのが一致してるもの、多いじゃん。で、一致してるもの、多いんだけど枝葉の部分でちょっとした違いはあるよね。それは人間だから当り前なんだけどね。
E: うん。割と、徳さんは今だに、洋楽買い続けてるよね。
T: まぁねえ。前よりは買わなくなったけどね。でも、定期的に仕入れるって感じで、買ってはいるね。
E: やっぱ、期待があるわけだよね。もしかしたら大変なものを見逃しているんじゃないかってね。
T: そうそう。で、この、「先ちゃん徳さんの極楽CD」コーナーは、CD屋に行って何を買おう?限られたおこずかいの中でそうそうアレもコレも買えないじゃない。そういう皆さんのために・・・・
E: 無駄なもんは買うな、と(笑)。
T: そう。いいものだけを、いかに絞りこんで買うか、という、その指標に少しでもなれば、と。
E: おお〜。(これを見てる)人を意識した発言だぁ。
T: (爆笑)でも、こういう、買う側から発せられる言葉っちゅーのも必要なんじゃないの?
E: そうね。最近は雑誌のレコ評とかもアテになんないしな。
T: なんないねぇー。レコード会社との義理とか営業的なしがらみで書かれてんの多いから。
E: だから俺達はシロートの、消費者の立場から見てですね、買わない方がいいもんはハッキリそう言いたいし。
T: そうそう。それはホント、ズバリ言いたい。だから、タイトルの「極楽CD」って言うのは、聞くと極楽になるCDばかりを紹介するというんじゃなく、極悪にもなるし、極甘にも極辛にもなるという、そういう気分でとらえて欲しいですね。
E: もちろん、俺達にとっては極楽でも、人によっては極苦なものである可能性ももちろんある訳ですけどね。
T: ま、だけど、ひとつハッキリ言えることは、俺達の意見は、レコード会社とかレコ屋とかの義理とかしがらみからまったく自由な立場から発しているということですね。
E: そういうこと。じゃ、さっそく第一回め、始めますか。
T: へいへい。基本的に二人が、その週に買ったCDの中からコレはよかった。コレは買わんでいいぞ、とアレコレ語っていくのをメインにして、ぜんぜんCD買わなかった週は、我々の持っているCDの中から皆さんにぜひリコメンドしたいモノを紹介していく、という形でよろしいですね?
E: よろしいです(笑)。
T: えー、それじゃまず、先ちゃんの今週のおススメCDは?
E: ま、おススメというか、今週買った中から、ちょっと語りたいなっていうものを持ってきたんだけど。まずコレ。坂本龍一の「ウラBTTB」。これは別に俺、気に入ったとか感動したとかじゃなくて、ホラ、この曲オリコンで1位になったじゃん。それもけっこう何週にも渡ってさあ。大ヒットなワケじゃん。こういうインストルメンタルが1位になるという事についてちょっと話しときたいなと思ったワケですよ。
T: ああ、なるほど。ってことは江口さんはそれに対する答えを持ってるワケね。
E: ウン。2つあって。ひとつはCMになれば何でも売れるんかい!というこれは、ネガティブな感情がひとつあって。でも肯定的に考えれば、CMになったからって売れないものは売れないし。やっぱこれが今売れたって事は、みんな疲れてんのかなぁって事。
T: うん。まちがいなくソレです。リラクゼイションというのが今、まあ、数年前からなんだけど・・・・・
E: 癒し、ですか。
T: 癒し、だね。例えば香り、気分が落ち着く香りのロウソクとかお香とか、若い女の娘に結構ブレイクしてるんだよね。アロマテラピーとか、ハーブのお茶とかそういった物、癒し効果のある物、結構みんな求めてるよね。あとサラリーマンにお昼の1時間だけ部屋貸します、みたいな場所が流行ってるんだって。
E: 昔、レンタルルームって流行ったけどね。
T: そうそう、それのエッチなし版(笑)。ひとりで入って一時間そこで居眠りするとかね。だから今ホントに、マスコミで癒し癒しって煽ってて、それに踊らされてるとこもあると思うけど、皆、疲れてる事は確かだと思うわ。
E: だけどさあ、ヒットチャートの1位になるって事は若いコ達、それこそ女子高生とかにも聴かれてるって事じゃん。
T: そうね、若い人達も疲れてるんじゃないの?
E: 若い奴らは、小室哲哉の音楽に疲れたんじゃねーの?ようやく(笑)。
T: はははっ。それ結構スルドイね。
E: でも、坂本龍一って、昔、俺なんか大好きだったけど、すごい刺激的な音楽やってた人じゃん。その人がこういう、なんていうか安らぎを与えるような音楽でトップ取るっていうのが、時代が変わったなっちゅーか。昔からのファンとしては、嬉しいような嬉しくなような(笑)、複雑な気持ちですわ。
T: (笑)。考えてみれば坂本龍一、YMO時代は最高が「君に胸キュン。」で2位どまりなんだよ。で、忌野清志郎と一緒にやった「いけないルージュマジック」が1位とったんだけど、坂本龍一が個人名義でとった1位は今回が初めてなんだよね。
E: そうだよね。俺ビックリしたんだよ。だってこんな曲、いや、いい曲だけど、1位とるかあ?っていう・・・・やっぱ、あのCMがピターっと時代の気分にハマったんだねぇ。
T: うん。これねえ、制作の裏話があってね。この前なんかで読んだんだけど、最初あの薬メーカーね、バブルの頃、24時間戦えますかみたいなドンチャカドンチャカしたイメージでやってたでしょ?ところが今、時代は疲れている。疲れた体を癒すために飲むドリンクみたいなニュアンスで坂本龍一に依頼したらしいんだよ。で、最初坂本龍一は、癒しだからといって、決してゆったりした曲とか考えていなかったんだって。結構アップテンポの、それこそヒップホップとかラップとか入れた曲とか、ま、メロディーは同じかも知れないけど、テクノっぽいアレンジにしたりとかもしたらしい。でもあのCMの映像とシンクロさせた時、結局一番ハマったのが・・・
E: 生ピアノだったと・・・
T: うん。でもあれ、ある意味じゃ彼のオハコでもあるじゃん、「戦メリ」から脈々と続く、さぁ。ただ、今回のアレは、決して癒しを狙ったんじゃないって言ってた。結果として、今の日本の癒しの気分にハマったんだと。
E: あれだよね。やっぱり一人の人間の才能だけじゃ、ヒットって生まれないよね。やっぱり、売れるものっていうのは、創っている本人は意識してなくても、無意識のうちに時代の気分と一致してるんだよね。この曲だって、2〜3年前だったら絶対1位なんかとってないでしょ。
T: 確かに。
E: てな事を思いました。以上(笑)。
T: 1枚めで思いっきり長く喋ってしまいましたが(笑)。この調子で喋ってくとどーなるんだ後。このコーナー、メチャクチャ長くなってすごい読みずらくなったりして(笑)。
E: じゃ、急いで次いこう、次(笑)。じゃ、徳さんの、いってみようか。
T: はいはい。俺の1枚めはですね、キッド・ロコですね。これは江口さんも気になってたでしょ?買った?
E: うん、買ってないけど、気になってた。
T: このアルバム。これはねぇ、みなさん、即、ジャケ買いしてください(笑)。
E: うん。やらしいねぇこれは。
T: やらしいでしょ。お店でレジにもっていく時、ちょっと恥ずかしいですけども(笑)、ジャケットもおいしくて、中味もおいしいという、2度オイシイCDですよ、コレは。でさぁ、やっぱ、キッド・ロコ、俺達みたいな好きモノの間では有名だけど、一般的に知られているアーティストじゃないでしょ。
E: まぁね。コーネリアスファンなら、名前くらいは聞いた事あるかってくらいだよね。
T: となると、当然、制作費とか限られるみたいでさ、このジャケット金かかってないんだよねぇ。例えばこのモデルのお姉ちゃん達とかも、よく見るとあんまり可愛くねえんだよ(笑)。やっぱ二流のモデルなんだよ。
E: ああ、そう言われればそうだね(笑)。デザインも簡単なもんだね。
T: 簡単、簡単。チョコチョコって撮った写真でジャケットの中も外もすべてすましてるみたいな。撮影するスタジオ、あまり長く借りられないかんね、という制約があったと俺は思いますねえ。
E: (笑)。で、どうなんですか?中身のほうは。
T: いや、中身の事言いたいんだけど、もう一つだけ言わせて(笑)。このジャケットさ、輸入盤だったらチラっと見えるんじゃないかと思ってさ。買って帰ってしげしげと見てみたんだけど・・・
E: え?見えんの?
T: いや、見えないんだけど(笑)。
E: なんだよ(爆笑)、ダメじゃん。それじゃ(笑)。
T: (笑)。ハイ。ジャケットだけでもここまで楽しめるという、ですね・・・
E: 中身の事全然言ってないじゃん!!(笑)。
T: (笑)。中身にいくまでにもう疲れちゃった、俺。え〜(笑)、内容は今流行のリミックス盤ですね。
E: これはキッド・ロコの曲をいろんなミュージシャンがリミックスしたヤツ?
T: 逆、逆。キッド・ロコがいろんなアーティストをリミックスしたっていうもので、例えば、パステルズとか、パルプとか、セイント・エティエンヌとかね。あと、これ系のアルバムには必ず出てくるハイラマズね。でまあ、このアルバムも非常に、癒し系ですね。
E: あ、そう。また出たね、癒し系。
T: うん。キッド・ロコのリミックスって、さっき話に出たジム・オルークとかもそうなんだけど、いわゆる音響系プラスモンド系っていうベクトル入ってるよね。
E: ベクトル入ってる(笑)。
T: ベクトルだよ(笑)。ちょっとカッコイイ言葉使っちゃったよ(笑)。で、非常にあの、全体的に統一感があって、ふわふわっとした浮遊感のある気持ちのいい音ばっかり。
E: ほおほお。
T: 非常になごむ。だけれども、パルプはパルプだし、パステルズはパステルズだしね。ほら、リミックスって言えば、元の曲がわかんないくらいグチャグチャにいじったりするのが当り前だったじゃん、以前は。リミキサーが自我丸出しにしてさぁ。でも、キッド・ロコって人は素材のよさを生かすタイプだね。そのアーティストの狙いに自分の解釈を加えつつ、更によく聴かせるようにする、みたいな。
E: なるほどね。コーネリアス小山田もそっちのタイプだよね。今度ブラーの曲リミックスしたの出るんでしょ?まだ聴いてないけど。
T: 「テンダー」でしょ。今J−WAVEとかでヘビーローテーションでかかってるじゃん。
E: あ、そう。FMとか聴かないからなー俺。
T: あーでも、リミックスの話もっとすればさぁ、このアルバムでも例えばラブ・エクスペリエンスMIXとかさ、スペーススパゲティMIXとかさぁ、とにかく何々MIXとか適当につけるの流行ってるじゃん。で、聞くとさ、どこがスペーススパゲティなんじゃいみたいなね。これ、やめて欲しいねダサイから。
E: ああ、そういう話だと、俺アレやめてほしいわ。CDの曲終わった後、延々と無音状態続いてさ、チョロッと隠しトラックって言うの?どうでもいい鼻唄みたいの出てくんの。
T: そう!!そうなんだよ!よくぞ言ってくれた。俺もずっと前から思ってて、なかなか言う機会なかったんだけど、まさに、まったく同意見。
E: あれね、俺の知る限りでは最初にやったのストーン・ローゼスじゃなかったかと思うんだけど、いや、最初にやった奴はいいんだよ。でもこれだけ誰もがやってて、今だにやってる奴いるじゃん。バカみたいだよねぇ?
T: それがまた、結構いいアーティストまでやってるでしょ。アレもう絶対カッコ悪い。特にいやなのが20分位無音入ってるのあるじゃん。
E: あるあるある。
T: で、なにが入ってるのかと思えばドアのバタンって閉まる効果音で終わりとかさぁ。もう、予定調和の極致。
E: 隠しトラック、もうやめよう。
T: いや、ちゃんとした曲が入ってるのはいいんだよ。ね、クレジットされてない曲が1曲、キチンと入ってる隠しトラックなら別に歓迎なんだけど、あの、お遊びのさぁ・・・・
E: 遊びの隠しトラック、もうやめよう(笑)。ていうか、やめろ(笑)。誰も聴きたくないわ、そんなもん。最初はカッコよかったけどね。
T: 最初はね。こんなアイデアがあったか、みたいなねぇ。でも、あれは、出た時もう終わったっちゅーもんですわ。それはもう、我々の仕事にも教訓として・・・・
E: はい(笑)。
T: それでは再び邦楽のほうへいってみますか。
E: えーと俺の方、シングルが多いんで、まとめて何枚かやろうかな。まず、キリンジ。
T: キリンジ。うん。いいですね。
E: 「牡牛座ラプソディ」っていう3曲入りのシングルなんですけどね。キリンジは去年の秋に出たファーストアルバム「ペーパードライバーズミュージック」がもう、メチャメチャ良くてですね。昔の大貫妙子とか、南 佳孝とかのティンパンアレイ系が大好きだったオヤジにはもうド真ん中っつーか(笑)。もう、名盤ですわ(笑)。
T: これは?シングル、カップリング曲とかもいい?
E: うん。3曲入りなんだけど今回のは全部イイ。この人たちの、詞がちょと変なんだよね。ワザと耳あたりの悪い言葉や、ヤクザな言葉(笑)使ったり。その、言葉の違和感とか、キリンジっていうグループ名のセンスとか、ちょっとついて行けないとこもあるんだけど(笑)、とにかく曲とアレンジが素晴しくいい。
T: キリンジは俺も好きですよ。でも、シングルまでは追っかけてないなぁ。さすが邦楽の江口だね。
E: そ。邦楽の江口(笑)。
T: 先ちゃんじゃなく、ホウセンと呼ぼうこれから(笑)。
E: キリンジ、もうすぐ出る新アルバムも期待してますって所で次、いくね。これはまだB級かもしれん。オセロケッツっつーんだけど。
T: えっ?何?もう一度。
E: (笑)。オセロケッツの「ミリオンボーイ」っていうシングルです。これはCMで流れてるから、聴けば絶対、知ってると思うけど。あのホラSUZUKI軽のCM。見た事ないかな?
T: ああ、ハイハイ車のね?
E: このバンドのメンバーが全員で出ててホラ、みんなで山小屋みたいなのに詰め込まれてみたいなCM・・・
T: 見た事あるような、ないような・・・
E: や、良かったですよ。なんか奥田民生っぽいなと思ったけどね。
T: あ、そうなの?
E: の、影響あると思うけどね。本人達に言うとイヤがると思うけど。でもメロディーの落とし方とかが、非常に俺の琴線に触れる・・・民生のに近い気持ち良さなのよ。いや、このシングルしか聴いてないんだけどね(笑)。この「ミリオンボーイ」って曲は最近ちょっとお気に入り。
T: じゃあ、さっそく後で聴いてみましょう。
E: でも奥田民生の影響もけっこう強いよね、やっぱ。若いミュージシャンに。
T: 多いよね。
E: あと、フリッパーズもどきもね(笑)。
T: ぜひ言って下さい(笑)。
E: 最近になってまた、特に多いよねぇ。小山田がちょっと最近、違う地点にいっちゃったもんだから。でもロクでもないのばっかだね。
T: アハハハハハ。
E: ゴメス・ザ・ヒットマンとかロボショップマニアとかね。ラウンド・テーブルってのがちょっとはマシかなっていうとこですね。でも、あまりにもみんな線が細〜い。フリッパーズ・ギターってもっと芯がぶっといバンドだったからねぇ。
T: うん、だからまあ、彼らに影響受けた人達はいっぱいいてさ、それで当時のフリッパーズをマンマ演ってる奴らにいいのいないよ。影響受けた上で、違う方向性の音楽やってる奴らにはいいのいるんじゃないかな。そんな気がする。
E: うん、カジヒデキとかは結構よかったと思うんだけどね。1枚目の「ミニスカート」とかはすごい良かったけど。最近ちょっと・・・
T: 最近、俺イヤです。
E: うーん、嫌っちゅーか、つまんないよねぇ。ファーストのいっちゃってる感じがないっつーか。
T: これねぇ。また、俺たちの移り気なところもある訳だけど、ホラ、スウェディッシュ・ポップの盛り上がりみたいなの、あったじゃない。
E: あったね。カーディガンズとかね。
T: カーディガンズとか、エッグストーンとか、俺達もけっこう買ってたじゃん。
E: ピンコ・ピンコとか結構好きだったなぁ。口に出すの恥ずかしいバンド名なんですけど(笑)、今となっては。
T: そうそう。要するに、その頃好きだったスウェーデン物がさぁ、今一番恥ずかしいモノっていうか、俺、今、あの辺のヤツ全部、CD棚の奥に隠してるもん(笑)。
E: カジヒデキも、だから、聴く気がしない?
T: それもあるし、カジヒデキねぇ、自分のどこが受けるか、ホラ、いわゆるオリーブ少女とかにさ、ああいう娘が好みそうな所を計算してやってるような、戦略が見えちゃうんだよね。俺、それが鼻についてしょうがない。
E: そうかなぁ。俺は逆に、あの人、すごい不器用なんじゃないかと思うけど。なんか自分でさ、同じ事いつまでもやってちゃダメだと思って、悩みすぎてつまんなくなってるような気がするけどね。
T: ひょっとしたらね、今俺が言ったのはレコード会社とか売る側の問題なのかもしれない。
E: あ、スタッフあるかもね。
T: いや、現場のスタッフとか直接の担当者とかはアーティストの事大切にしてるんだよ。問題はレコード会社。レコード会社ってアーティストの事を考えているようで全然そうじゃない。そこでね、出てくるんだよ、レコード会社とアーティストの間に立った現場のスタッフのつらいですね・・・まったく組織ってヤツは・・・・・出ました!!組織論まで(笑)。
E: サラリーマン時代のトラウマが(笑)。出たところでそろそろそっちのCDにいこうか。
T: はいはい(笑)。ホウセンに続いてヨウトク(洋徳)が。えー、ジ・アップルズ・イン・ステレオです。ニューアルバム、ミニアルバムなんだけど出ましたよぉ。今までのアップルからすると、ジャケットのイメージ全然違うでしょ?
E: かなり違うね。これインディーズ盤なの?
T: いや、違う。インディーズっぽいノリのデザインだよね。彼らは言うなればアメリカのフリッパーズ・ギターみたいなバンドで、今までのはジャケットもそれ風だったんだけど、今回のは非常にインディーズ盤みたいで、こう、暗い雰囲気なんだけど、実際音もね、こんな感じ。
E: ふーん。
T: 今までと全然違う。唄い方とかメロディーは、相変わらずの、ふにゃふにゃしたフリッパーズ調なんだけど、音がサイケなの。いい意味で暗い。
E: 俺ねぇ、あんまり聴いてないんだよね、この人達。1・2枚持ってんだけど、たぶん1回しか聴いてない。
T: 俺もねぇ、1枚めのはいまいちピンと来なかったんだけど、2枚め聴いたらね、なんだよこれ、裏フリッパーズじゃんみたいなね。で、さっきも話出たけどフリッパーズもどき、日本だけじゃなく海外にもいるからね。
E: いるんだよね〜!!
T: そこで、最初非常に感動したんだけどね。ただこの人たちのいいのは、なんていうのかなぁフリッパーズのいいところをギュッと2〜3分の短い曲に凝縮して、で、そこにへなちょこなローファイ感覚をプラスしたところが、その、あまたいるフリッパーズもどきと一線を画している訳ですよ。
E: なるほど。
T: で、俺は2枚めにそういう所を感じて「いいじゃん」と思ってたんだけど、今回のこれ聴いたら、もう全然フリッパーズもどきどころじゃなくて、結構、実験をうまくやってた頃のビートルズみたいなね。つなぎの曲とか効果音、ポコポコ入れたりとか、半分くらいはブリッジみたいな30秒くらいの曲なのね。ちょっと暗めなサイケな音で。曲のタイトルもこれ、「Y2K」って、コンピュータ2000年問題のアメリカでの呼び名なんだね。歌詞カードついてないからちょっと内容分かんないけど、詞もちょっとシニカルな感じじゃないのかな。ま、そういう感じのアルバムですわ。じゃ、次、また邦楽。
E: いや、もう1個位続けていってよ洋楽。俺の方あんまり数持ってきてないし。
T: あっ、そう?じゃ、次は王道で、ケミカル・ブラザース。これはもう、当然江口さんも聴いてるし・・・
E: 「サレンダー」ですな。
T: 何を今さらの、なんですが。発売されてだいぶ時間も経ってるけど、なんで今日あえてこれ持って来たかというと、第1回めだから、あまりにも通っぽいのばかりじゃなく、皆もよく知ってるヤツもあった方がいいと思って。で、同じ頃に出たジャミロクワイのでも当然よかったんだけど、なんでケミカルにしたかっていうと、このアルバムでケミカル次に行ったな、みたいな気がするのよ。今まではホラ、ケミカル・ブラザースって音楽雑誌とかでさんざん「これが今最も新しいロックだ」みたいな書かれ方してたしさ、そういう情報に踊らされて、もう聴くしかないだろみたいなノリで買った人多いと思うのね。で、ハマった人ももちろんいると思うけど、たぶん大多数のリスナーはね、そんなに何度も聴くような音楽じゃないなぁと思ったんじゃないかな・・・って実は俺がそうなんだけどね(苦笑)。
E: いや、俺もそうだね。ファーストはすごい好きだったけど、2枚めはあまり聴いてないや。
T: そういう人けっこう多いんじゃないかと思うんだよ。やっぱり、ケミカル・ブラザースって、デジタルロック=新しい音楽の記号としてさ、聴かなきゃイカンみたいな、聴かないと時代に遅れるみたいな存在だったじゃん。ロックってやっぱどうしてもそういうとこあって、まぁファッションでもサブカルチャーのものでも全部そうなんだけど、雑誌は書き立てるし、聴く側もなんか、脅迫観念的に「聴かなきゃ」みたいに感じさせられるけど、実際聴いてみると、そんなにハマリまくるものでもないぞっていうのが、世の中いっぱいあるよね。ケミカル・ブラザースってまさにそういうバンドだったし、彼等自身もそこらへん確信犯的だったと思うんだよね。でも、今回のアルバムを聴いて、なんというか、今までの、新しさだけじゃない何かが出てきたと感じたのね。なんか、普遍的に、普通にいいな、と思えるポップさが出てきたっていうかなぁ。そういう風に聞こえたのは、ほら俺の好きなニュー・オーダーのバーナード・サムナーが参加してるからかもしれないけどね。3曲めとかボーカルやってるし、音作りにも参加してて、ギタージャンジャンかきならしてるから、なんかモロニュー・オーダーの音なんだよ、実際。だから、気にいったの、そういうところもあるかも知れない。でも、ラストの曲とか、まるでフォークみたいだし。ケミカルって基本的にはロックな連中だな、というのがこのアルバムでよくわかったし、今までのに比べたらターンテーブルに乗る回数は多いだろうな、と思っております。ハイ。
E: いや〜一気に喋ったね(笑)。俺このアルバムまだ2回くらいしか聴いてないけど、今のお話しを聞いて、ちゃんと聴いてみようと思いました(笑)。
T: (笑)。疲れた(笑)。はい次いって次。
E: はい、ではもう1曲邦楽で、ゆらゆら帝国。「ミーのカー」です。「ミーのカー」(笑)。
T: これ、タイトル俺も好きだね。
E: そ、これ見た時はちょっと口惜しかったね。自分の感覚からは絶対出てこないもの見せつけられると、口惜しいけれど、快感なんだよ。これ、ギターウルフ以来のショックでした(笑)。
T: あっ、そう。俺、聴いた事ないからそれわかんない。
E: や、俺もまだ聴いてないんだけど(笑)。レコ屋でCD手にとっただけなんですが。曲名みたらスゴイんだよね。「島根スリム」とか「冷蔵庫ゼロ」とかね(笑)。何だソレ?っていう。訳わからんけどカッコイイって思ったんだよね。「ミーのカー」もそういうふうに気になって。で、これはジャケットが妙に可愛いから買ってみようかなと思ったんだね。で今日持ってきたのはシングルですが、実はアルバムの方も買ったのね。でも、アルバム1枚はちょっと俺にはキツかった。
T: はははは。そうですか(笑)。
E: でも、このシングルの方は愛聴してる、最近。で、聴いて思ったのが、昔のGS(グループサウンズ)それもちょっとB級のサイケな、ガレージパンクっぽいGSがいたんですが、すごく、それっぽいなぁと思いましたね。ルックスとか歌い方とかも含めてね。だから俺にはけっこう、デジャ・ヴュみたいな懐かしい感じも受けたんだけど、若い者が聴くとどう思うんだろう?なんじゃこりゃ?って感じなんじゃないの?まったく未知の物みたいな、ねぇ?だって「ゆらゆら帝国」だよ?バンド名が。どうして欲しいんじゃっちゅー感じじゃない?
T: はははは。ちなみにこのシングルのタイトルは何ていうの?
E: あ、そうだ、タイトル曲は「ズックにロック」だった。
T: 何〜ぃ(笑)?
E: 「ズックにロック」(笑)。
T: なるほど。カップリングが「ミーのカー」。他が「彼の砂漠」・・・・なるほどねぇ。
E: アルバムの方には「太陽の嘘つき」なんて、いかすタイトルの曲もあります(笑)。
T: 「太陽の嘘つき」なんて漫画のタイトルになりそうだねぇ(笑)。
E: なりそうだし、後、昔のGSにモロありそうな感じだよ。
T: それをおちょくってる感じもある?
E: んー、おちょくってるのかなぁ。
T: 昔のGSってほら、青春まっ盛り路線だったから。「太陽のくちずけ」とかそういう風だったじゃん。その辺をおちょくってる気がしないでもないけど。
E: んー、どうでしょう?本気でやってるような所もなきにしもあらずみたいな・・・(笑)。
T: アルバムのトーンとしてはどんな感じなの?
E: うん、何かパロディやってる雰囲気はないんだよね。なんていうのか、全体的に、マリファナでもやって海にプカプカ浮いているようなっつーか、やった事ないのでよくわかりませんが(笑)。このまま死んでもま、いいか、みたいな漂い感がありますね。
T: ふーん。確かにジャケットのメンバーの写真とか見てもまんま60年代してるよねぇ。ルックス、ファッションとその写真の撮り方とかも含めてさ。スタジオで演奏してる写真なんかもう、30年前の雑誌に載ってても全然おかしくない。
E: 全然おかしくない(笑)。あとこのジャケットのイラストとかも・・・
T: けっこうサイケだけどなんかカワイイね。ああ、ズック投げてるね(笑)。
E: うん、なんかあんまり上手くないアマチュアが手描きで描いたような、妙に人を不安にさせるような完成度の低さがアジになってるという(笑)。でもこういう、いかにもインディーズっぽいっていうか、アンダーグラウンド系の人達もメジャーが普通に売れたりするからね、最近。ボアダムスとかね。
T: ボアダムスね、あれだけ有名で、海外でも評価されてるじゃん。で、アルバムいっぱい出てるから、買ってみたのよ。とりあえず1枚。
E: 「スーパーアー」ね。スーパーカーじゃなく(笑)。
T: いや、それじゃなく、タイトルちょっと忘れたけど。で、1回聴いてそれっきりでした(笑)。
E: (笑)。とりあえず評価されてるものは気になるんだよね。一応、聴いてみたくなる。
T: そっ。で、さらっと聴いて、あっ、違うなって感じ。わかりましたって(笑)。
E: ハイ、すいませんでしたって感じね(笑)。
T: なんか、若い頃って、ファッションでもそうなんだけど、まわりに評価されてるからってんで、本当は自分に合わないものも、無理して好きになろうとするようなところあるじゃん。
E: あるね。これがわからないと自分はダメなんじゃないかとかね。
T: そう。例えば音楽雑誌でコレの良さがわからない奴はダメだ、みたいな書き方してる。じゃ聴いてみようじゃねぇかと思って聴いてみました。で、分からない訳よ。アレ?俺、分からないとヤバいんじゃないのと思って、何度も何度も聴いてさ。それでもダメなわけ(笑)。
E: あります、ありますね(笑)。
T: で、若い頃はさ、その、分からなかった事を人に言えなかったね。例えば仲間うちで、そのレコードの話題が出ると、せいぜい「ああ、聴いた聴いた」ぐらいしか言えなかった。「俺は好きじゃない」とか、とてもじゃないけど言えなかったよね。でもさすがにこの歳になると、もう自分の好みっていうのははっきり分かってるし、コレは僕には合いませんってキッパリ言えるよね。
E: そうね。自分にダメなものはダメって言っちゃっていいんだよ。
T: だから、この対談を読んでくれてる若い人達も、情報は情報として受け取って、後は自分の判断で好き嫌いを決めてくださいね。ってところでワタシの方の最後の1枚いきまーす。
E: ベータ・バンドですか。
T: ベータ・バンド。ベータと言ってもソニーのビデオ方式ではないですよ(笑)。
E: わかってます(笑)。あのう、質問なんだけど、このバンドってもう大御所っていうかけっこう長い人達なの?ロックなバンド?
T: いや、大御所ではないと思うよ。俺も詳しくは知らないけど。今、ジャンルとして音響系っていうのがあるじゃない。例えばさっきのジム・オルークとかシー・アンド・ケイクとかのシカゴ音響系。そして、そこにリンクするような感じでハイ・ラマズがいたりステレオラブがいたりするでしょ。まあ、さっきのキッド・ロコもそう。でこのベータ・バンドっていうのは、その音響系とステレオラブ系にちょっとモンド系をまぶしたような、なんか、それらが一体になったような感じのバンドだよ。
E: ふーん。ミクスチャーバンド。じゃなごみ系なんだ?
T: いや、決してなごみ系じゃないね。うーん、一言で言えない不思議なバンドなんだよ。だから妙な魅力が・・・まあジャンルとすればロックになると思うんだけど、例えば5分の曲が一つあるとするじゃん。そするとまず、ギターのカッティングが始まったとたんモンド系の、ちょっとスパイ映画風の音が入って来たりしてね、でぜんぜん違う雰囲気になるの、一つの曲の中で。いろんな方向にとっちらかって行っちゃう。で、そのまま・・・
E: ちょっと聴いてみていい(笑)?
T: あっ、そうね。かけてみようか。

   (曲が始まる)
E: はーん。ちょっとベックっぽくもあるねぇ。
T: って感じなんだね、あきらかにベック以降の音。
E: ふーん。なかなかいいね。いろんな音楽を解体して・・・
T: 解体して、オモチャ箱をひっくり返してそのままにしているガキんちょじゃなくって、ちゃんとこう、別の入れ方で箱に戻してるみたいなね。
E: うまい言い方するねぇ。でも、このジャケットさあ、このビジュアルだけ見てもちょっとどんなバンドだか想像つかないね。これはまず、試聴してみないと怖くて買えないタイプのジャケットだなぁ。
T: 江口さんてレコ屋の試聴器、結構使う方?
E: 比較的使うかな。でも前ほどは使わなくなったね。
T: 俺、全然使わないんだよ。
E: 使わないんだ、ふーん。でも試聴器で聴くとさぁ、3割増でよく聴こえるよね。
T: でしょ!!そうなんだよ。あれ、やばいんだよ。試聴器で聴いて、おっイイ!!と思って買ってさ、家帰って聴くともう、全然違うじゃんって事、はっきり言って多いです。
E: だいたいね、ヘッドホンで密閉して聴くと、よく聴こえがちなんだよ音楽って。
T: あれ、たぶんね、普段の自分の場所と違う環境で聴いてるからじゃないかなぁ。なんでもよく聞こえる状態。ま、確かに試聴すると傾向はわかるけど、よく聞こえるから買っちゃうじゃん。それでもう、ゴミいっぱい買ったから(笑)。だから試聴器はもう、やめました(笑)。
E: じゃ、話、脱線ついでに聞くけど、CD買う時の決め手っつーか、何を手がかりにしてんの?
T: 俺は、アレ、ポップっていうの、ほら、店のにいちゃん、ねえちゃんかもしれないけど、店員が手書きで描いたおすすめ文あるじゃん。けっこうあれで買ちゃったりすんね。もう何々風、何々ファンなら絶対買いだ!!とか書いてあると、すぐ買っちゃいますね(笑)。
E: ああ、あるねそれも。あれもさぁ、上手い奴いるんだよね、ポップの書き方が。なんか、買いたくなるように書く人。あれも才能だよね。
T: 俺ねぇ、渋谷WAVEの、オルタナティブコーナーってのがあるんだけど、そこのポップ書いてる人、すげぇ才能あると思う。
E: へぇ。
T: 文が上手いっちゅーより、めちゃくちゃおちゃめなだよね。どこで見つけてきたんだっちゅーような絵、結構グロな絵とかをポップに貼り付けたりね。ちょっとしたキャッチコピーなんかも、すごい気が利いてんだよ。
E: へぇー。買いたくなる?
T: ならない。
E: がくっ。
T: ひとっつもならん(笑)。
E: それはもう何?見て楽しむだけのモノ?
T: そっ。見て楽しむ。あーやるなぁこいつーみたいな。
E: いやぁー。そうなると、ポップもひとつの表現ですな(笑)。
T: そうそう(笑)。そういうのって、レコファンには絶対望めないじゃん。
E: レコファンって、そもそもポップなんてつけてたっけ?
T: たまにあるよ。だけどレコファンのポップっていつも、決まりきった文句で始まるんだよ。「待ってた人も多かったでしょう、この1枚!!」みたいなさ。
E: あははは。ポップ評やろう今度。レコ屋のポップ評(笑)。
T: ははは。もう、だんだん訳わかんなくなってきた(笑)。

   (ベータ・バンドの曲流れている)
E: 曲の方もさらにゴチャゴチャになってきたね(笑)。
T: うん、ポップなんだけど、なんだか音が変だぞっていうベータ・バンドでした。
E: というところで、第1回目はこんなところでしょうか。
T: そんなところですね。いやー、長く喋っちゃったねぇ、しょっぱなから。
E: うん。これは濃いねぇ(笑)。毎週やってたら大変だぜコレ(笑)。
T: いやーでも、最近は、毎週毎週、そんなにパカパカCD買わないし、こんなに数多くなる事今後はあんまりないでしょ(笑)。
E: ちょっと前までは本当パカパカ買ってたけどね(笑)。
T: うん。最近は我慢の心を覚えましたから、大人になって(笑)。
E: ていうか徳さん、最近お金の使い道がワインに行っちゃってるからじゃないの(笑)?
T: はい。行ってまーす。人の事だけ言わないでさ、じゃ先ちゃんは何に行ってんの?
E: 俺?俺は何だろうねぇ、時計とかかなぁ。
T: 違うでしょ。扇風機とかでしょ(笑)?
E: 扇風機・・・うわ〜それは言わないでくれ〜。そっとしといてくれ〜(笑)。


第1回 おわり(1999.7.7 寿スタジオにて)