ふと気がつけば、去年の更新日を追いこしてしまうーーっ!!(もう過ぎてるって)さすがにこりゃヤバい・・・・!と、ようやく重い腰をあげた先ちゃんと徳さん。お待たせしました。いや本っ当〜にっ、お待たせいたしましたっ!
 テンションは高いのか低いのか?それでも無理矢理語ってます、2000年総括編。それに日本のロックが熱くカッコよかった、良き時代の話を少々。いやほとんどか?
 ラーメン話とはうって変わった(笑)チンタラしたテンポで話は始まりますよ。

  
T: いやぁー久しぶりの極楽CDってことで・・・・
E: もう、忘れたよ。話し方・・・・
E&T ハハハハハ・・・・(力ない笑い)
E: ラーメンだと語る事ボコボコ出てくるのにねー・・・・
T: うん・・・・ほっといても熱く語っちゃうんだけどなー。
E: やる気、感じられないよね俺ら。
E&T ハハハハハ・・・・(更に力ない笑い)
T: ハァ〜ァア。
E: だって普段、CDの話ってほとんどしなくなったもんね。
T: 前は音楽話とかってすごく多かったじゃん。でも最近は飲みバナシとか(笑)、ワインがどーしたとか。次いで多いのがラーメン話だもんな。
E: そうだよね。前は徳さんよく、「このCD知ってる?」って、めぼしい新譜を持って来てたのが、今は「あのラーメン屋行ったよ」だもんね。
T: (笑)そういう江口さんだって、前までは「最近何か買った?」って聞くと、「えーっと、コレとコレとコレ。コレは良かったよー」とかボンボン出てきたのに、最近はもう「や、買ってなーい」「特になーい」じゃん。
E: はははは。ま、そんな感じで我々の音楽に対しての情熱がやや?かなり(笑)?薄れてきてしまっているので、2000年の総括と言っても・・・・ベスト10どころかベスト5を選ぶのも困難な状態でして。
T: 本当にそうなんだよね(苦笑)。だから今回はまぁ、2000年に出たCDに限らず、まぁ、昔のCDも含めて、我々が個人的によく聴いた音楽について話すという、今までとはちょっと違う感じで進めていこうかなと。でも、まぁベスト5くらいは最後に選んでみますかね。
E: まっ、そんな感じでいきましょうかね。それで・・・・我々が昨年1番よく聴いたのが実は・・・・高中(笑)・・・・
T: おっ!イキナリそこから入るんかいっ(笑)。
E: あの世紀末の世の中で、俺たちだけだったんじゃないかな。あれほどタカナカ聴いてた人間は(笑)。
T: かもしんないね(笑)。それまではせいぜい年に2〜3時間くらいしか聴いてなかったのに、去年1年で100年分くらいは聴いたんじゃないかというくらい。
E: もう、再ブーム、マイブームとさえ言ってよかったよね。俺、78〜79年頃はもう本当に高中にハマってたけど、そん時以来だもんなーあんなに聴いたの。
T: でもさ、99年頃に俺たちの高中再ブームの前兆ってあったじゃん。ちょっとクロスオーバー系っていうか、フュージョンのハシリの頃の音を聴き直したりして。で、その頃江口さんがサディスティックスの「ウィ・アー・ジャスト・テイキング・オフ」を仕事場でしょっちゅうかけてたっしょ。それがミョーに良くって俺もまた聴き始めたんだよ。
E: フュージョンっていうのが、あの時期にはまったんだよね妙に。なんか、新しい音もないし、聴いてると疲れないし、癒される感じでさ。
T: あの頃、癒し系の音楽は必要だったもんね(遠い目)。
E: うん(シミジミと)。あと俺はね、「アンドゥー」(吉祥寺にあるヒジョーになごめて、心地の良い飲み屋)によく行くようになって、そこで聴く高中がヒジョーに良かったのよ。2ndなんかかかるとタマんなくてさぁ。そんなのかけてくれる飲み屋って他にある(笑)?それがえらい良くって・・・・で、CDで高中買い直しだして、そっからだね、本格的にハマりだしたの。
T: そーだね、それが去年の秋頃で・・・・それからず〜っと聴き続けてるもんね。
E: 「アンドゥー」っていう空間がヒジョーに大きいね。それと、ご存じのように俺はこれまで、飲む=騒ぐ事っていう飲み方しかしてこなかったんですね(笑)。ところがこの店に行くようになってから、音楽をじっくり聴きながらこう、ワイングラスを回す(笑)?そんな楽しさをね・・・・
T: ワハハハ。でもそうなんだよね、酒を飲む=それなりの人数で騒ぐ、それも朝まで騒ぐっていう飲み方をしていた江口寿史が、やっと少し大人の飲み方を覚えたっていうそのキッカケというか、それを覚えるのを増長させた非常に重要なツールが、「アンドゥー」及び高中だった、という事なんですね。
E: ふふふ、そう。「アンドゥー」だったら一人で行けるもんね。今までの俺じゃ考えられないよ。一人で酒場に行くなんて事は・・・・。やっとこう、ね、40代の男にふさわしい大人な感じがね(笑)。もう、ブランデーグラス回す日も近いね。こう、ガウンかなんか着ちゃってね。
T: ワハハハハ。回さんでいい回さんで。でもホント、俺らの他にお客さんがいない時に音量を上げてもらって聴く「ナイツ」とか「アローン」とかってもう本っ当〜にイイんだよね。実際、音楽ってこういう事なんだなぁと素直に思ったけどな。
E: ほら、去年サニーデイの「ラブアルバム」を俺が仕事場でかけてた時、徳さん、「おっ、このイントロ、まるで高中じゃん」って言ったじゃん。きっと時代の流れ的にもこういう音がまた良くなってるんじゃないの?
T: かもしんないね。でも俺らに都合のいい解釈って気もしないでもないけど・・・・。
E: サニーデイのメンバーが高中を聴いていたかは知らないけど、最初のイントロのあの心地よさって、確かに近いもんがあるよね。でさー俺、2000年は3月にサディスティック・ミカバンドのCDも買い直してんのよ(笑)。これも「アンドゥー」効果。
T: そーだねー「黒船」もよくかかってるもんねー。
E: その頃から、ツボにハマる音楽ばっかしかけてくれる店だなーと思ってちょくちょく行くようになったからね。
T: うん。高中だけじゃなくてYMOとか鈴木茂とかもかかるしね。
E: 鈴木茂!「砂の女」なんかかかった日にゃもう、たまんないね。
T: 「アンドゥー」に入り浸ってもう、オヤジ趣味狂い咲きって感じだね。これがはたしてノスタルジックなのか、それとも時代がクルッと回って戻ってきたのか。その辺はどう思いますかね?
E: うん。でもさ、そこの従業員のK君(20代前半)は鈴木茂とかかかると「カッコいいですねーこれ」って言うよね。もう時代二回りくらいしてね、70年代の音はやっぱ今、新鮮に聴ける時なんじゃないかな。だからいろんなバンドが再発とか再結成とかしてんじゃない。
T: ティンパンとかもね。そう考えるとやっぱり時代的なものなのか・・・・。
E: たぶん今はね、もう新しいモノは出尽くして、いろんな時代の本物を聴く時代なんだよ、なんてね。へへへ。
T: で、あの時代のものはやっぱり本物だと、ちゃんちゃん。話終わっちゃったよー(笑)。
E: (おもむろに)不変のカッコよさがあるんじゃないですかね。
T: おっ、続いてたのね(笑)。ちょっと音楽評論家風に言わせてもらうと、イギリスではマンチェスターブームの頃から、いわゆるギターバンドは60年代、70年代の音を求めてたよね。で、結局、70年代ギターバンド+ビートルズっちゅうところに落ち着いたわけじゃん。オアシスだってそうだしね。純然たるバンド形式でかつ先鋭的なグループって、70年代に回帰してたよね。日本のバンドだって・・・・実際サニーデイだってそうじゃん。
E: うん。はっぴいえんどの再解釈ね。小沢健二とかもそうだよね。
T: それを言えば、椎名林檎の音楽だって、音がギスギスしてた時代のロック+歌謡曲をいかに今の時代に通用させられるか、みたいなところでやってたんだろうし・・・・。
E: ちょっと高中に話戻していい?10年くらい前って、フュージョンってすごくダサかったじゃない。でも今はもっと回っちゃって、カッコいいとまではいかないけど、ダサさは消えたよね。
T: だね。それは時間の経過によって時効になった事と、あとひとつはね、クラブDJ達が、結構フュージョンを元ネタに使ってるらしいんだよ。例えばスタンリー・クラークのベースをサンプリングしたりとかね。って事は、俺達ってまだまだ時代と共に生きてる・・・・の?
E: (笑)かもね。スタッフの新譜もまた出るらしいしな。再結成。しかも新作だよ?驚いちゃった。だから俺たちの回顧趣味だけってワケでもないかも。世の中全体がそこら辺を求めてるっつーか。
T: じゃ、あんまりイジケなくてもいいかな・・・・。
E: スティーリー・ダンも20年ぶりに新作出したし(笑)。しかも全く変わってない(笑)。またそれが良かったしなぁ。そういう時代になったんだよ。
T: ねー。グラミー賞も3部門くらい獲ってたよ。
E: だけど古いものが何でもいいわけじゃないじゃん。やっぱりその中でも今の時代や気分に合ったものを我々は選んでるわけじゃないの。高中にしたって、全部が今聴いてイイわけじゃない。1st、2ndから4枚めまでが最高で、「アローン」あたりまでかな〜。それ以降の打ち込み系になってからのものは今ちょっと聴けないよね。1番ダサいっていうか・・・・。
T: そうなんだよ。俺、当時も苦手だったけど、最近聴いてみてもやっぱりダメだった。俺も「アローン」とか「サウダージ」までなんだ。だけど、4〜5年前に出た「フェイド・トゥ・ブルー」ってアルバムはいかった。
E: 俺もそれはけっこう聴いてた。調布に観に行ったからね、その時のライブ。高校の同級生のI君に誘われてね。I君ってのは20年以上ず〜っと変わらず高中ファンを続けてる人で(笑)。俺達みたいにアチコチ浮気しないでね(笑)。しかもその時I君は、そのCDまで買っておいてくれてさぁ(笑)。
T: 奇特な人だね(笑)。それと同時期に出た「バラード」っていうのも良いんだよね。すごく心地よい音楽をやってるんだよ。その頃からまた、フィットするようになったね。
E: それとアレ、去年アルバム出したじゃん「ハンプラグド」。タイトルはちょっとどうかと思うけど(笑)。アコースティックバージョンのセルフカバー集。徳さんの高中ブーム再燃の要因って、このアルバムが大きいよね。
T: うん。まさに。高中がラジオにゲスト出演してて「OH!TENGO SUERTE」をアコースティックギターで生演奏してるのを聴いて、「うわぁーいいなー」って思って。CD出て即買いしました。・・・・去年の隠れベストワンだね。
E: 何で隠れなんだよ!
E&T (爆笑)
T: ちゅうか、ずっと聴きまくってたわけじゃないんで。高中再評価のキッカケになった1枚ということでね(笑)。
E: いいんだよもう。隠さなくても(笑)。二人ともこんなに高中好きなんだってカミングアウトしてんだから。いいよ高中。特に初期のは最高だよね。唄モノが何曲か必ず入ってるけど、それもイイんだなぁ〜。楽器とメロディの間の唄の入り方とか絶妙だよね。ギターが良いという事ウンヌンよりもまず、ポップスとしての完成度が高い。1st、2ndあたりは特にね・・・・って、ベタボメ(笑)。
T: 本当にいいメロディを書いているよね、音楽として。だから、深聴きも出来るし、BGMにもなる。いやぁ、ホント素晴らしい音楽。俺は家で飯を食いながら聴いたりするんだけど、高中を改めて聴いて、スゴイ事やってたねーって本当に思う。ギター1本であれだけのインストをよくぞ!しかもあの時代にあんなトロピカルムードを・・・・
E: ねぇ。あの当時、高中23歳かそこらだよ。カッコよかったよね、存在が。「トロピカル」ってその頃最先端だったしなー。
T: 特にミカ・バンドの頃なんて、あの頃日本の音楽シーンはティンパンアレイ系かミカ・バンド系に分かれてたじゃん。で、ティンパンもオシャレな音出してたけど、ミカ・バンドはオシャレでありながら、ロックやって、しかも茶目っ気たっぷりでね。「HOT MENU!」ってアルバムなんてフザケまくってたよね。
E: うん、いい意味でね。あのー、のちのYMOとか見てもそうけど、そういうオチャラけた感じって、やっぱしユキヒロ(高橋幸宏)が醸し出してるんだろうね。
T: 今の日本にそういうカッコいいバンドっていないよなー。音楽的にソコソコ良いと思うバンドはいるんだけど、ファッションから方向性からギャグセンス、そしてやってる側の確信性度合いとかそんなの全部ひっくるめて考えるとね。
E: うん。フリッパーズ・ギターが最後だよね。
T: うん。YMO以降フリッパーズがいて、でもそれ以降ないよね。
E: ピチカート・ファイブとかもそういう意味でのメディアっぽい活動してると思うんだけど、何か、パワーがないというか、「趣味のいい人だけ聴いてください」みたいな感じしか受けないし。
T: 渋谷系という一言でくくられてしまっても仕方ないんだよね。初期のオリジナル・ラブとかもピチカートと同じくらいのパワーでしかないしなぁ。フリッパーズは全然違ったよね。
E: YMOもフリッパーズも、それ以前と以後のシーンをガラッと変えるパワーがあったからね。インタビューもアートワークもファッションもすべてひっくるめて作品みたいな。しかもまず、楽曲自体に多くの人の耳を惹き付けるパワーがあった。そういうの今いないよねー。
T: で、俺はひょっとしたら椎名林檎にね、1年前にそれを見い出したような気がしたんだよ。・・・・でもそれは玉砕しました(泣)。
E: 悲しいやねぇー。去年の極楽CDは椎名林檎でもちきりだったのにね。
T: 俺はね、「本能」で終わったね(キッパリ)。
E: えっ?「ギプス」と「罪と罰」はもうダメ?
T: うん。その2枚のシングルを聴いて、ちょっとなっていうのが芽生えて、それ以降に出たものはシングルもアルバムも全然ダメだった。「本能」はカップリング曲もメチャクチャ良かったから、最期を飾るのにふさわしい!
E: 最期ってアンタまだ・・・・俺は「絶頂集」でトドメ刺されたね。あの、なんか、聴く人を突き放しているよーな感じがね。
T: ああー。あれもダメだった。「勝訴ストリップ」はねぇ、なんでダメなんだろうって、もう1度聴いてみたんだ。で、思ったんだけど、それは彼女自身が椎名林檎を演じているっていうか、それをやらなきゃダメだろうって、無理して演ってるような気がしてしょうがないんですけど・・・・。
E: だから常々、椎名林檎という名前はもうやめるとか言ってるんじゃないかな。でもそういう葛藤は表現してる人間には多かれ少なかれ、誰にでもあるけどね・・・。
T: もちろん、いろいろ葛藤はあると思うんだけどね、「勝訴ストリップ」はなんか、不自然なものとしか聴こえないんだよね。でも、江口さんもまさか自分が椎名林檎を嫌いになるワケないだろうと、自分をごまかしごまかし聴いてたとこない?
E: そう言われれば、もう素直にいいとかじゃなくって、や、そのうちまた良くなってくるはずだって、弁護しつつ聴いてたとこあったかもね。
T: だけどもう、椎名林檎は1年で終わっちゃったんだよ。少なくとも我々の間では確実にね。救世主だと思ったのになぁ。
E: 燃えつきたね・・・・太く、短く(遠くを見てる)。

(2001年3月9日 寿スタジオにて)


 何だかオヤジ化まっしぐらって感じの二人、椎名林檎さんにかってに引導をわたしちゃってますけど・・・・・・・ちょっといいんですか?って感じではありますが(汗)、この後、話は昨年の音楽シーンの状況へと移っていきますよ・・・・(Part2へつづく)