タイトル

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回
第6回 第7回 第8回前編 第8回後編 第9回



 みんなが好きなラーメン。そしてみんなと同じようにラーメンが好きな男2人。自称“B級グルマン”先ちゃんこと江口寿史(44)。かたや元サラリーマンにして自称“食のプロ”徳丸真人(43)。この2人がラーメンを語り合う、その名も『ラーメン道場やぶり』『うまいラーメン』とはなんぞや?日々苦悩しながらさすらう40代のおやじ2人の熱い語りをどうぞ!
 うまいラーメン食わないで、このまま死なねぇーぞぉ!

T: じゃ、始めますか。
E: 第1回めということで。新コンテンツ。なんかヘラヘラしちゃうね。
T: うん。久しぶりだもんねー。(それって、今年頭の極楽CD以来ってコトか?)で、今回は最初なんで、『ラーメン道場破り』の目的および定義…ね、そういうものを話しとこうか。
E: そうだね。なぜ『ラーメン』なのかと…。まぁ、もともと昔からお互い、ラーメン好きっていうんで、特に徳さんは週の昼飯、5〜6日はラーメン食うっていうね(笑)、筋金入りのラーメン者で。
T: 何だよラーメン者って(笑)。そんなさ、1日3食ぜーんぶラーメンとかっちゅー人達程では全然ありませんって。
E: でまぁ、二人でよくラーメンの話はしてたんだよね。音楽とか政治の話とともにね(笑)。
T: しとらんしとらん政治の話しとらん(笑)。でもさ、最近は音楽の話よりもラーメンの話の方が多いよね。
E: 多いね。
T: それが結局『極楽CD』を全っ然更新しない、出来ない理由なのかっ(笑)。アッチの方はもうほぼ1年更新してないというのに、こうして新しい企画を立ち上げてしまうというね…(笑)。
E: ですねー(苦笑)。でもまぁ、出来る事からやった方がいいんでね(笑)。
T: そーいえば『極楽CD』って、3回か4回やって止まってるよね。それなのに新しいものを始める……これって、まるで誰かの漫画みたいだよね(笑)。
E: あらっ!…意表つかれたな今(笑)。うん。そうね。これはすぐ終わらんようにしましょうかね。
T: ってゆーか『極楽CD』まだ終わってないって。で、この企画は、実は、飲んでる時に江口さんが突然言い出したんだよね。“ラーメンやろう”とか言って……なぜ突然?
E: うーん、あのさぁ、今もしかしてラーメンブーム?だよね。
T: だよ。あきらかなブームだよ。
E: ね?インターネットでもラーメンのサイトとかメチャメチャ多いし。ラーメンの本とかもいっぱい出てんじゃん。そーいうの俺、つい買っちゃうんですけど(照笑)。ああいうランキングとかさぁ、果たして信用できんのかってね。だって好みじゃん、しょせんああいうの。だからああいうので1位になってる店のラーメンがホントに旨いのか自分で確かめたい、というのがまず、あると。
T: ウンウン。なるほど。暴くとかじゃなくて確かめたいっていうね。
E: そ。好みは人それぞれでいいんだから…こっちの意見の方が正しいって言うのじゃなくてね。
T: もちろん。これはもう音楽も一緒で、自分の好みを人にゴリ押ししちゃイカンと。でも好きなものは好き、嫌いなものは嫌いとハッキリ言おうという事だね。
E: うん。ただあまり、情報を鵜呑みにするのは良くないって所は『極楽CD』と一緒。
T: うん、一緒ですな。まぁ、評論家とかオタク的な視点じゃなく、いち消費者、お客の立場から語ると言う。そういうことですかね、定義としては。
E: そうそう。最近のさ、ラーメン語ってる奴ってなんであんなにエラソーなの。何よラーメン王って?旨いラーメンが作れるってんじゃないんだよ?ラーメン食ってるだけの奴がそんなにエライのか?
T: (苦笑)。
E: まぁ確かにね、旨いラーメン屋を知ってる人が友達にいると便利だし楽しいってのはあるけどね。俺の周りでは徳さんがまさにそういう人じゃん。徳さんが教えてくれた店でマズかったトコないしね。俺は徳さんのラーメン喰いとしての舌を非常に信用してるからね。
T: あらら。なんか気味悪いぞ(笑)。ホメても何も出んよ(笑)。
E: だから、その徳さんにさ、今のラーメンブームの真っ只中にあえてこう、語ってもらったら面白かろうって思ったわけさ。
T: ふーん。ただ単にあちこちラーメン食いに行きたかっただけなんじゃないの?(笑)
E: ドキッ。(二人で爆笑)
T: はははは。…で、やり方としては週に2回程食いに行くと。1軒はお互いのお薦め店。で、もう1軒はえー、いわゆる有名な人気店に行ってみる、と。
E: いわゆる今のブームの中にあって、旨いとされている店だよね。
T: そう。それがどこであろうと行ってみて、食ってみようじゃないか、という事ね。
E: うん。で『道場破り』ってことはさー、“たのもーう”っていって、こちらが勝つというコトは、その店がマズイって事なのね。だからね……勝つとムナシイの(笑)。
T: これはもう、負けたいんだよねコッチとしては(笑)。
E: そう。負けた方が“良かったねー”という(笑)…なんだか深いような深くないような(笑)。
T: 勝つとムナシイ、負けるとウレシイ。この日本的なワビサビね。
T&E これこそが『ラーメン道場破り』であーる!
T: はぁ……何だか力抜けちゃったよ今(笑)。
E: (苦笑)。
T: で、原則的に、食べるラーメンはその店の基本的なラーメンね。
E: うん。チャーシューメンとかはダメ、と。
T: でも味つけ玉子は別。(キッパリ)
E: 玉子は別。(キッパリ)
T: 我々は二人とも玉子好きです。(キッパリ)
E: 毅然とした顔で玉子好きですと言われるのも何だかな(笑)。
T: (笑)。で、ちょっと横道にそれちゃうけど、今、味つけ玉子(以下 味玉と略)って結構流行ってて、特にここ1〜2年の間にオープンした、マスコミを賑わせている店とかって、味玉を用意してるとこが多いんだな。
E: へぇー。(玉子の話題なだけに興味シンシン)
T: ついこの間までは、玉子といえば“ゆで玉子”だったのにね。俺が愛してやまない渋谷のとあるお店はもう、昔から味玉だったけど、他にはそうそうなかったもん。そんな、“味玉あたり前”っていう風潮に、俺は疑問を投げかけたい!!(力説)
E: (笑)。
T: しかも!しかもだよ、“半熟”という店が案外多い。
E: あっ、そうだね。俺半熟キライだね。
T: でしょ?でもね、いろんなラーメン本とかには、半熟がイイ、とかって書いてあるの多いんだよ。俺、最近のラーメン本、絶対おかしいと思う。だって、半熟、おいしくないもん。(キッパリ) あ、普通のゆで玉子として食べる半熟は別だよ。
E: うん。ラーメンに半熟玉子はおいしくない。
T: ま、たまにおいしいとこもあるけどね。たいがいは半熟は玉子の味がうっとうしくてラーメンに合わないの。ま、モチロン好みもあるけどね。あと更に、半熟度合いにこだわってる店も多いね。
E: えーっ、そう。
T: あ、あとね、味玉、丸ごと入ってる店多いんだけど、あれは切って出すべし、だね。何故かっていうと、ゆで玉子って黄身の部分をかじると、ポロポロ崩れてくるじゃない?
E: 崩れるね。俺あの、黄身でスープが濁るのキライ。
T: だから、あの黄身の部分が崩れてスープに溶けちゃう前にこう…あわてて食べなくちゃいけない。(ジェスチャーつき)
E: うんうん。そうだね。レンゲを駆使しつつね。
T: でもね、最初から縦割りにしてある玉子は溶けにくいんだよ。だからラーメンを本当に愛してる店だったら、玉子は縦に2つに切って出してください。以上、玉子好きな我々として言っておきたかった事。


E: 味玉の半熟はやめろ、と。
T: それと縦に切って出せ、これはマストと。
E: うーん。玉子だけで、ここまで言う事があるとなると…。
T: 先が思いやられますな(笑)。
E: という所で、やっと本題に入りますか。じゃ、まずは…
T: 江口さんお薦めの…これは地元、吉祥寺編の第1発目ということになりますね?
E: はい。ご近所編1発目ということで、「かぎや」に行きました。……終わり。
E&T (爆笑)
T: あのなー(笑)。
E: 終わっちゃいけない(笑)。えーとまず、この店はオープンした当時に1度行ってんだよね。ちょっと忘れたけど5年位前だったかな。で、その時は荻窪の「丸福」そっくりじゃんっていう印象しかなかった。そっくりって言っても、「丸福」には及ばないっていうね。それで、その後1度も行ってなかったんだけど、今年になって、春頃かな、久々に入ってみたらなんと、味がガラッと変わってて。ぜんぜん「丸福」とは別物のラーメンになっててビックリしてさ。
T: その頃、江口さん言ってたもんね。「かぎや」旨いって。
E: うん。春、夏とはまってたね。ラーメンったら「かぎや」にばっか行ってた。だけどさ、最近行くたびに…(小声で)良くないんだよ……。いや、もちろん人が作るもんだから、日によってバラつきがあって当然なんだけど、やはり旨い店って、バラつきがありつつも、その店のレベルでイマイチな時であっても、ある程度は、他のまずい店よりは旨くなきゃいけないと思うんですよ。そうじゃなきゃ人に薦められないじゃん。
T: でも俺、初めて行ったけど、旨かったよ。実直な味っちゅうか。奇をてらってないしね。スープだって何かが突出してるワケじゃなくて……いろんな味が渾然一体になっている、という感じでさ。
E: それで、それからまた行った?
T: 行ったよ。でも最初に行った時の方が旨かった。ただ、江口さんの言う、旨い時のを食ったら もっと感動するかもしれんね。
E: あのさー、旨いラーメンって、目の前に出てきた時、何か違うよね。まずいラーメンは見た目もだらしないんだよ。旨いラーメンは、なんかこうキリッとしたオーラが漂ってるって言うかさ。そういうのがちょっと前まであったんだけどなぁ。どうしたんだろうなぁ。3回良くない時が続くとちょっとどうかなって思っちゃうよねぇ。
T: うーん、ムズカシイやねぇ、一定のレベルを守っていくっちゅうのはね……。
E: ムズカシイし大変だよね。
T: 特にオープンして10年未満くらいの店って、本当に試行錯誤があるんだよね。
E: 今気づいたんだけど徳さんさー、『極楽CD』の時よりなんかイキイキしてるよね。
E&T (爆笑)
T: 失礼な(笑)。まぁ、元外食産業従事者ですからねー。
E: おおっ。初告白!今、明かされる徳さんの過去!
T: そんなたいそうなもんじゃないって(照笑)。単なるサラリーマンです。とある外食産業のね。しかも勤続12年。今回はここまでにしとこうかなバラすの(笑)。
E: はははは。企業名は次にとっとくって?
T: で、「かぎや」の続きなんだけど、麺、旨いよ。あと、好みで言うと、あの挽肉……いらないな。
E: あの、煮玉子にかかってる、煮汁の挽肉ね。ちょっと甘い……
T: 1回めに食べた時にはそれ程気にならなかったんだけど、2回めの時はちょっとジャマだった。でも食べ物の甘味って、俺好きなのよ。
E: 甘味っていっても、俺の好きな甘い物の事じゃなくね……。
T: うん。あんこの話じゃなくね(笑)。ラーメンにしろ何にしろ、最終的に甘味を感じる物に、美味しい物が多い、っていうのが結論。
E: おおーっ。さすが、食のプロっぽい発言だねぇ。
T: まーね(照笑)。やっぱりバランスなんだよね、なんでも。いろんな味の要素を、例えば苦味とか渋みとか酸味とかをたくさん含んでいて、そこに甘味がちょっとだけ上に出てる。そういうのが味わいのレベルが高い、旨い食い物だと思うんですわ。これはワインにも言えるんだけどね。
E: でたねーワイン話!語るねー。でもワイン話は一人でやってね。(キッパリ)
T: そんな冷たい事言わんで〜。で、「かぎや」のまとめだけど、チャーシューも旨かったし、典型的なおいしいラーメンとして、どんぶりの中で完成していたと思います。旨かったよ。
E: 旨いラーメン屋っていうのはあんまり語ることないよねー。俺が「かぎや」に望むことは、あたりまえの事だけど、味を落とさないで欲しいってことだねー。あの店は駅から遠いし、味落ちるとトタンに客足遠のくよね。厳しい立地条件でやってる店なんで、大変だろうけど、頑張って欲しいっすね。最近ちょっと、すいてる時多い感じなんだけど、吉祥寺の人はもっと行きましょう。
T: 駅からはちょっと遠いけど、歩いて行きましょう。誰かみたいに糖尿病予備軍にならんうちに。
E: だから最近はちゃんと歩いてるって。ダイエットもしてますって…。

 なーんか言いたいこと言ったり、能書き出たりのこの2人。でもめげずに、続いて2軒目に行ってみましょう。皆様お付き合いよろしく。

E: じゃ、次はいよいよ……
T: いよいよですか。
E: はい。今もう誰もがね、とにかくネットでもラーメン本でも必ず上位にランキングされてるという……
T: その店に行ってきました。じゃ、江口さん、その店の名前を……
E: えー、新宿の「麺屋 武蔵」。
T: そ。今、超人気店の「武蔵」ね。この日も店に着いたのがお昼の12時半頃だったけど30人位並んでたね。
E: うん。中に入ってわかったんだけど「武蔵」って店名は“宮本武蔵”からだったんだね。
T: ねー。店内に“宮本武蔵”の映画のポスターが何枚も貼ってあったもんな。
E: そして、店内のBGMにはJAZZがかかってて…(苦笑)。
T: そ、JAZZ(苦笑)。
E: なんか、最近ハヤリのあの手の店って必ずJAZZとかがかかってて、働いてる兄ちゃんが若いんだよ、みんな。で、そろいも揃ってこんな、(ここで絵を描く)バンダナみたいの頭に巻いてさ、ピアスなんかしてて、不精ヒゲ風アゴひげ生やしてる、結構おしゃれ系の若者が多いよね。(絵を見せて)こんなの(笑)。


T: そうそう。で、なんかTシャツみたいな、お決まりのようなのみんな着てるんだよね。
E: そう。で、そいつらがヤタラうるさいの。「いらっさいあせー!」とか全員でさ、「ハイ!麺、固いっちょう〜!!」とかって、オーダー復唱してさ。デカイ声で。で、「武蔵」も中入ったら、それ系の店だったから、まず“あれっ?”って思っちゃった。
T: うん、ちょっとまず引けたよね。
E: 俺は基本的に親父が作るラーメン屋が好きなのね。偏見かもしれないけど、こういう店員が若者ばっかしのニューウェーブ系?みたいなラーメン屋はちょっと苦手なんだよね。
T: まぁ、それでも旨けりゃイイんだけどね、もちろん。
E: まぁね。でも「武蔵」って、そういうタイプの店とは予想してなかったんでね……第一印象はそういう感じだった。徳さんは?
T: 俺はねー。ホラあの店、並んでる時には店の中見えないような造りになってたじゃん?で、中に入ってみて、まず店内、飾り物が多いなーと思ったね。俺さ、飾り物の多い店にロクなもんはナイ、という持論を持ってるんだよ(笑)。例えば中南米料理屋で民族衣装を飾るとかいうんだったらいいんだよ。でもラーメン屋でさぁ、何かのコンセプトで色々物飾ってるとこで、おいしい店に当たったためしないんだよね。それでちょっと引けたね。で、後は江口さんと一緒で、JAZZが流れてるっていうね…黒い店内でJAZZかっていう。そういう店なんだぁという……。ホラ、店の外で並んでる間さ、魚のダシのい〜い匂いしてたじゃん。あれでムムッ、この店イケそうって期待が高まってたからさ、けっこう意外だったね。
E: 一気に喋ったね(笑)。でもそうなんだよね。店内黒いんだよね。天井高いし。
T: あとさっき江口さん言った店員の元気のイイかけ声ね。でも、「いらっしゃいませー」も「ありがとーございましたー」も、いかにもマニュアル化しちゃってる感じでね。心がこもってないんだよなー。それとあと、食券。
E: あー。たいがい食券だよね、ああいうとこ。
T: 俺、やめて欲しいな食券。まー中にはね、人手が少ないからって事で、食券制にしながらもキチンとサービスしてる店もあるんだけど、余る程の人手はあるのに当たり前のように食券で。あれ、入っていきなり券売機の前で食べる物を決めなきゃイケナイし、しかもメニューがやたら多かったりするとさー……。ホラ、何を食べようかって、迷うことが楽しかったりもするじゃない。
E: だよね。あとあれ、「武蔵」もそうだったけど、味はこってりにします?あっさりにします?っていうヤツ。客の好みをいちいち聞いてくるあのシステムはうっとうしいねぇ。
T: あーそうだね。あれは特に「家系」と呼ばれる店で一挙に広まったシステムなんだけど、麺のゆで具合からスープの味の濃さ、脂の量まで全て選ばなきゃいけない。
E: 面倒くさくてしょうがないねアレ。これがウチのラーメンだ!っていうのを出してくれればいいじゃん。
T: うん。あらゆるお客さんの好みに合わせますっていうのもわかるけど、ラーメンってそういうもんじゃねぇだろうっていうね。
E: うん。そんなものじゃない。全ての人に気に入るものなんか、どだい無理。
T: 作り手がこだわりを持って、これがウチの味だって出して、その味を気に入った人はまた食いに行くし、気に入らなければ行かなきゃいいんだよ。でさ、これ「武蔵の第2印象になるんだけど、あそこ、“こってり”か“あっさり”しかないじゃん。
E: そだね。“ふつう”ってのがない。
T: 俺、思わず店の兄ちゃんに「“ふつう”はないんですか?」って聞いちゃったもん。で、ないって言われたんで、「どっちがお薦めですか」って聞こうと思ったけど、不毛なやりとりになりそうだからやめたよ。
E: で、結果的にどうだった?「武蔵」の味は。(今回食べたのは『味玉らー麺 こってり』800円)
T: う〜ん。麺は旨かったな。
E: 俺、とにかくしょっぱくてスープ飲めなかったの。“こってり”を頼んだからかと思ったけど、“こってり”で、しょっぱいのじゃ意味違うじゃん。
T: 確かに味濃くて、しょっぱくて、で、甘味も強い……その甘味も自然な甘さじゃなく、ミリンのような甘みなんだよね。だけど「武蔵」は化学調味料を使っていないという、今ハヤリの店。
E: でも旨いラーメン屋って、結構、化学調味料使ってんだよね。
T: うん。だってラーメンってそういうものだもん。化学調味料=味の素=悪、みたいな考えはオカシイよ。化学調味料を使う使わない、じゃなく、食って旨いか旨くないかなんだからさ。食い物屋は。化学調味料を使ってない事を誇らしげに主張するの、止めて欲しいよね。
E: おっ、徳さんけっこう怒ってますねー。でもホントそうだよね。それと、これは味には関係ないかもしれないけど、「武蔵」のどんぶりって、こういうのだったでしょ?(絵を描きながら)俺、ラーメンのどんぶりはやっぱ、こっちのタイプの方が好きだなー。こういうさ、(絵を見せながら)ね?こっちの方が旨そうに見えると思わない?


T: そうそう。オヤジの郷愁であって、若い人にはどーぉだっていい事かもしれないけどね(笑)。
E: (笑)。あと、チャーシューがなんというか、柔らかすぎてね…。
T: うん。これも今の流行りで、猫もシャクシも、チャーシューが柔らかけりゃイイという風潮ですね。箸でつかもうとするとくずれるようなものを喜んでるようなフシがある。
E: 俺はチャーシューはけっこう固めの方が好きだな。あとね、あのチャーシュー、ちょっとしつこい感じがした。
T: うん。あの外に匂ってたダシのいい香りが、あの濃いタレですっかり消されちゃってたよね。まぁ、今回食べた味が、出来不出来のバラつきの範疇なのかというのが問題だけどね。
E: 確かに1回食べただけじゃ判断できんけどね。
T: 今日がたまたま出来の悪い日だったのかもしれない。けど、これだけ絶賛されてる店だからね。もし最悪の出来だったとしても、最低限の旨さって感じられるはずじゃん。
E: 俺の知り合いのライターは、あらゆる食い物屋の中で今、「武蔵」がナンバーワンだと言ってたよ。
T: ひええ〜。そこまで言われると行ってみたくなるよね。まぁ、そういう、とにかくスゴイ店だっていう先入観をもって食べたというのもあるかもしれないけど……今日の味だったらせいぜい、中の下ってトコ。食い物として、完全に味のバランス崩れてた。
E: ふふ。確かに期待があまりにも大きすぎたっていうのもあるんだろうけど、あの味だったらわざわざ電車に乗ってまで食いにこようとは思わないなぁ。旨けりゃ新幹線乗って、京都とかまででも行っちゃうもんな。
T: ははは。絶対行く行く〜。
E: 「武蔵」の看板持ってくりゃよかったなぁ、道場破りなんだからさ(笑)。
T: はははは。
E: なにせ、店の人には誰一人として気づかれない、おとなしい道場破りだからなー俺ら(笑)。
T: (笑)。けなしてばっかりっていうのもナンだから……じゃ、逆に良かった所は?
E: ふ〜ん。そういえば俺のちょっとぬるかったんだよね…。
T: あっ、俺のもだったよ、って悪いトコじゃんそれ。いいトコなしじゃん!
E: あ、でもメニューに『とんがり飯』ってあったじゃん。アレ旨そうだったな。でもこりゃラーメンには関係ない。
T: でも売り切れだったね。あと『豚の角煮』ってヤツも売り切れてた。だから角煮を使ったラーメンとかも全部売り切れだったもん。これって、俺は店として失格だと思うんだよ。
E: うー厳しいねぇ、今日は。
T: うん、厳しいよ。あのね、飲食業を営むにあたってね、品切れっていうのは普通は恥なのよ。50品あるうちの1品が品切れってのならまだ許せるけど、この店は基本的に3種類くらいしかないでしょ。らー麺とチャーシュー麺、豚角煮らー麺。そしてご飯類もその『とんがり飯』しかないわけじゃん。
E: はぁ………(徳さんの勢いに押されてだまってうなずくのみ)
T: それがもう売り切れなんだよ。営業時間が始まってまだ1時間しかたってないのにもうない、というのは、お客さんに絶えずこれを提供しようっていう良心がないよね。
E: あららら……そこまで。
T: 言う(キッパリ)。なんか最近のちょっとこだわった風の店には、こう、仕込んだ素材がなくなり次第、営業おしまい!なんてのが多いけど、あれもねー。本当にその店のキャパシティいっぱいいっぱいでそうなのなら仕方ないけど、なんかお客の方が「売り切れ」をありがたがってるようなさぁ、オーバーだけどそれで店が更に神格化されるみたいなさ、店の方もそれを意識してやってるみたいなとこ感じるもん。
E: うー。なんだか耳が痛いぞ。何故だ。耳痛くなってきたのは何故だぁ。
T: どっかの漫画家の話じゃなく、ラーメン屋の話をしてんだからね、いい?ラーメン屋の話だからね(笑)。
E: ふー。でもラーメン屋も漫画家も同じレベルをずっと維持していかなきゃならないって点では同じだよなぁ。いい時もある。悪い時もあるよ。
T: うん。大変だよなー。でも江口さんの場合は味のブレというよりも、描くか描かないかってところの問題じゃない?
E: ダメじゃん(笑)。俺、ラーメン屋だったら潰れてるじゃん。
T: そうだよん。 作らないラーメン屋は潰れるよん。
E: ふうう〜。(ひと息ついて)でもまぁ、とにかく「武蔵」はもう1度行って確かめないとダメだね。
T: うん。そうだね。それは俺もぜひ確かめたいわ。
E: まぁラーメンとなると、CD以上にいろんな意見や反論のある人がいると思うんで、是非ご意見下さい。
T: うん。1回しか食ってないくせにけなしまくって、お前らわかってねぇ!間違ってる!・・・・とか遠慮なくメールして下さい。
E: あ、あと、あなたのおすすめの美味しいラーメン屋があったら教えて下さい。
T: 北は北海道から南は沖縄まで?
E: もう、日本全国どこへでも行きますよーう(笑)。
T: 結局それが目的だったんじゃ・・・・。
E: えっ?何の事?目的って何?(と、知らばっくれる先ちゃん)


 と、かなりコーフン気味に言いたい放題語りつくしたこの2人。 『極楽CD』以上のパワーだな、コリャ。 対談終了後、週に1回は必ず更新すると、公言した先ちゃん、徳さん。それは本当なのか?そして『極楽CD』はどうなるのか? そして、次に“たのも〜う”と扉を叩きに行く店は? 2人が言っていたように、反論・賛成等のご意見、そして『ここ行ってみ』みたいなおいしいラーメン屋情報、お待ちしていま〜す。
 第2回も乞うご期待!!