タイトル

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回
第6回 第7回 第8回前編 第8回後編 第9回



 ・・・どうも、こんにちは。
 いやぁーお久しぶりもここまでくると、筋金入り。ですが、突然、唐突に不死鳥のごとく(しぶとくも)甦って戻ってまいりました。ただいま。
 実は、この対談自体は2003年5月に行われ、その後すみやかに編集作業も終了。あとは先ちゃんのイラストを待つばかり・・・という状態のまま、あわやお蔵入り?となっていたシロモノです。なんと、3年近くも眠っていたことになるんですねぇ。あははは・・・。で、昨年(2005年)の寿スタジオの忘年会で、ちゃんこ鍋をつつきながら、「そう言えば道場やぶりの大分編、まだアップしてないよねぇ」「オーッ!しようよしよう!」ということで、再び陽の目を浴びることになったわけです。 そんなこんなで、文中の会話は2003年当時のままとなっているので、話が古くなってしまっている部分も多分にありますが、更新に免じてどうぞお許しください。
 それでは、いつものようにダラダラと熱く語るラーメン話を、懐かしさと復活の喜びに浸りつつ(?)お楽しみください。さぁ、いざミラクル寿ワールドへ!?

T: と、いうことで・・・実に1年以上ぶりですな。
E: ハァ〜(ため息)
T: よくぞここまで引っ張ってきましたな。
E: おととしの秋の名古屋以来?・・・本当にどうなってんだか(笑)。
T: なんちゅうグウタラ企画(笑)。まぁその間いろいろあったもんね、お互い。
E: 怒涛の1年だったよね(遠い目)。
T: 江口さんはアクションの週刊連載があって、俺はリアルワインガイドの発刊があったり。気がついたらアッという間に1年が過ぎてたというのが正直なところ。だから決して道場やぶりをないがしろにしてたわけではないんだけどさ。
E: なかなか2人でラーメンを食いにも行けなかったもんね。
T: 出だしから言い訳ですな(笑)。
E: まぁ、日記とかも全然更新してないから、一体どうなってんのよって思っている人がたくさんいると思うんで説明しとかないとね。
T: でもさ、また江口さんの連載が始まったら道場やぶりできんのかね。
E: う〜ん・・・週刊は・・・(小声)もうやらないんじゃないかな〜.....。(語尾が弱々しい)
T: ウハハハ!なんちゅう心もとないことを!
E: うそうそ(笑)。やりますよ、また始めますよ、そのうちね。
T: 本当かよ。さっ、ではそろそろ本題に入りますか。
E: エー、今回は遠征編第3弾。徳さんのふるさと、大分編です。
T: 大分のパルコブックセンターでサイン会があって、だったらそれに絡めてラーメン食ってきますかという、別名;コバンザメ企画第2弾(笑)。で、サイン会どうだった?
E: どうって・・・6,7年前にも同じ場所でやったんだけどさ、お客さんは少ないわ天気も悪いわで印象が悪かったのよ、大分ってわりと。
T: (笑)大分県人を目の前に、そこまではっきり言うか。
E: ハハハハ・・・だから今回もあんまり来ないだろうなと思ってたんだけど、予想を裏切ってまずまずの人たちが来てくれて、正直嬉しかった。
T: いいカンジで集まってくれて、濃密な時間を過ごしましたな。
E: そうそう、あのくらいが一番ちょうどよくサービスできる(笑)。
T: まぁそんなサイン会の合間を縫って・・・
E: 俺達、本当にラーメンに関しては積極的に行動するよね。結果的に1泊2日で5杯食いました。
T: 大分に2人で行く機会なんてそうそうないから、俺としては地元の旨いラーメンを江口さんにできるだけ食わせたくてね、それで結果的に5杯になっちゃった。でも晩飯と朝飯はちゃんと別に食ってるからスゴイよな、俺達。
E: そこから何を言いたいのかというと、大分のラーメンは1杯が軽い!
T: そう!量も味付けも良い意味で軽い。
E: 博多だと替え玉が前提だけど、大分にはないんだよね?
T: うん。だから東京でいう「そば」的な、ちょっと小腹が減ったときにおやつ感覚で食うっていう感じもあるかな。
E: 見た目も量もヒジョウに小さくてカワイイ。だから東京でラーメンを5杯と考えるとウエッとなるかもしれないけれど、大分のは楽勝で食える。
T: 今、九州ラーメン=博多豚骨という図式が成り立っていると思うんだけど、それって全然違う。
E: 九州だからってひとつに括るな、と言いたいよね。そんなに単純なもんじゃないんだぞ、と。
T: 大分のラーメンはもちろん豚骨ベースなんだけど、脂ギトギト・コッテリなんかじゃない。あえて言うのならサラリ旨み系っていうかね。前にも言ったと思うけど、北九州から大分、宮崎まではラーメンに関しては同じ文化圏なんだと思うんだよね。
E: 熊本はどちらかというと博多に近いかな、にんにくとかも入ってるコッテリ系。だけど長崎や鹿児島はまた違う。同じ九州でもこれだけ違うってことをわかって欲しいよ。東京の人と話すと、アッサリした豚骨なんて旨いんですか?って聞かれるんだけど・・・旨いんだよ、ものすっげぇ。
T: そういうヤツは別府に来て「なべさん」を食ってみろ、と。
E: オッ、いきなりそこから行きますか。大分に着いて、なにはなくとも別府へ。そして徳さんが高校生の頃から慣れ親しんで、もう愛しちゃってる「なべさん」という店へ行きました。
T: ウムウム(満面の笑み)
E: ある人にとって思い出のある店の味って、他人にとって必ずしも旨いってわけじゃないでしょ。その人の思い入れや歴史なんかが加味されるから。だけど、「なべさん」は旨い!本当に旨い。(やや興奮気味)
T: そう言っていただくと光栄でございます。って俺が作っているわけじゃないけど(笑)。
E: こーいう、自信を持って人に薦められる店があるってうらやましいワ。
T: 俺の心のベスト2だもんね。
E: へっ?1位じゃないの?(笑)
T: ベスト2の甲乙をつけがたいひとつってこと。
E: あぁ、「喜楽」ね。
T: 私にはどっちが1位かなんて決められまへん。
E: でも「喜楽」ってわりとムラがあったりするから、あんまり人には薦めないでしょ?
T: そうだね。俺はすっごい好きだけど、って感じかな。
E: だけど「なべさん」は・・・
T: もう日本全国の誰が食っても旨いと思う。だって食べ物としておいしいもん。
E: わずか530円でこんな幸せを与えてくれるなんてスゴイ食いもん。アッサリしてるんだけど旨みと深みがある、豚骨は豚骨なんだけど、全然くどくない。
T: エ〜この道場やぶりでは極力出さないようにしているネタがひとつあってね・・・(おずおずと)それはワインとの関連づけなんだけど。
E: ふ〜ん。
T: おっ、突っ込みがないけど?
E: まぁいいんじゃない。この更新が止まっていた間に君は編集長になったんだから、ワイン雑誌の(笑)。
T: ウハハハ・・・やかましぃ。今まではちょっとワインの話をするだけでチクチク言われてたけど、長い道のりだったよ(シミジミ)。
E: でも手短にね。
T: 結局そうかよ(半泣)。あのさ、ワインでもよく言うんだけど旨いものって味わいに集中度があるんだよ。ピッと芯があるというか、コアがあると申しましょうか。
E: バラけてないってことだ。なんでもそうだよね、大事なのは集中力。
T: 違うよー「力」じゃなくて「感」。濃いっていう意味じゃなくてね。濃ければなんでも旨いかというとそうでもないじゃん。味というか旨みの大きさね、それがあるんだよ「なべさん」のラーメンには。もう昔っからあの味。
E: 煮干とかも入ってるよね、あとしょうゆもかすかに入ってる感じがしたんだけど。
T: 基本的に色は白系なんだけど、ちょっとだけ茶色も入っている。
E: 東京でいうと渋谷の「唐そば」に見た目は似てるよね。
T: そうだね。結局「なべさん」へは2回行ったんだけど、俺は2回ともラーメン、江口さんはチャーシュー麺と玉子入りラーメンを食ったんだよね。
E: あの、チャーシュー(ウットリ)。
T: バラ肉で決して大きくはないんだけど、唸るほど旨い。ラーメンは530円で、あとは大盛もチャーシュー麺も玉子入りもみんな100円アップの630円。
E: チャーシュー麺ってコストパフォーマンスめちゃくちゃ高いよね、100円であのおいしいチャーシューがパカパカのってんだもん。あと、あの細いもやし・・・もう絶妙(悶絶)、良く合うんだよね。東京の太いもやしはラーメンにあんまり合うとは思わないんだけど、「なべさん」のは必然があってのってるじゃん。
T: あー腹減ってきた(笑)。
E: でさ、玉子入りラーメンの玉子ってなんと目玉焼きなんだよね。
T: 東京だと玉子入りっていうと判で押したように味玉、しかも半熟だったりするけど、そんなんおかまいなしよ(江戸っ子?)、昔っから「なべさん」は目玉焼き。しかも何にも書いてないけど焼き加減も指定できるんだよ。
E: へぇ、そうなんだ。「サニーサイドアップで」とか(笑)?俺食った時は指定はしなくても黄味はちょっと半熟のいい塩梅だったよ。今度行ったときはチャーシュー麺に玉子を入れたやつを食うぞ!
T: 力まんでもいいんだけど(笑)。お願いすれば絶対やってくれるよ。他にチャンポンとか焼そばもあるんだけど、これまた旨くて量も多い(ニンマリ)。
E: 隣の人がチャンポン食ってるの見たけど、あれは野菜のっけラーメン?こっちでいうタンメンみたいな感じだったけど。
T: そうそう、大分や宮崎ではあれをチャンポンっていうんだよ。長崎チャンポンとはちと違う、麺はラーメンだしね。
E: イカやエビは入ってないんだよね。
T: うん、だけどかまぼこは入ってるよ!(なぜか威張る)。「なべさん」のおいしいスープに野菜の旨みが加わって、いやぁ絶品!
E: う〜ん、じゃあ、今度行ったときはチャンポンにチャーシューと玉子入れてもらうぞ!!
T: 欲のかたまりだなあ、ったく。たまに故郷帰るでしょ、そうすると友達が待ち構えてて「なべさん」詣でが始まるんだけど、いい大人が誰かの家に集まってトランプで大盛りあがりして、夜11時頃「なべさん」が閉まる直前にバァーっと食いに行くんだよね。
E: というワケで、次の日は徳さんの地元友達2人も参加して一緒にラーメンを食いに行きました(笑)。
T: 本当はちょっと遠出して、これも地元では有名なラーメン屋へ行こうと思っていたんだけど、悪天候で道路が通行止めになっちゃって、泣く泣く途中で引き返してきてね。
E: その時に「だったらなべさん行こうや〜」って徳さんの友達が言ったじゃん。俺はあの発言に地元の人の愛を感じたの。それと絶対的な信頼。だってそこに生まれて住んで、ずっ〜と食ってきている人たちが相変わらず行きたいと思うってスゴイことだと思うんだよね。
T: (涙目)うんうん。「なべさん」の隣に別府でも有名な公衆浴場があるんだけど、そこへ近所の人はもちろん、隣町からとかも家族で風呂に入りに来て、帰りに「なべさん」を食って帰る、そういう使い方をしている人いっぱいいるんだよね。
E: うらやましいわ、本当に。アッ、あとあの朝鮮漬けがいいやね。俺、あれが大好きなんだよ。
T: 赤くなくて白い、ちょっと辛いんだけどキムチほどではなくてダシが効いてる。 大分のラーメン屋にはおいてあるとこ結構あるよ。
E: それとラーメンとご飯をどうしても食いたくて・・・だから4人でご飯と朝鮮漬をひとつずつ注文しました。
T: つつまし〜(笑)、4人でまわし食いしてウメェーとか大騒ぎ。余談だけど、大分のラーメン屋にはさっきのチャンポンみたいなもんで、冷麺があるところが多いんだよ。
E: へぇー。
T: 東京だと冷麺というと焼肉屋でしょ?
E: そうだね。麺はラーメンなの?
T: ううん、いわゆる冷麺用のコシの強いやつ。それが「なべさん」にもあったんだよ。(※注:2006年の現在は冷麺はメニューからなくなりました。(泣))
E: 夏になると?
T: いやぁ、年中あったと思うけどな。それに朝鮮漬けがポンと乗ってくるんだよ。
E: ア〜ッ、それ絶対旨いね。そういえば冷し中華って九州にはないんだよね。
T: そうそう、東京に出てきて初めて存在を知ったもん。
E: 俺も。ところで「なべさん」で今日はイマイチなんて日あるの?
T: よくぞ聞いてくれました!これがただの一度もないんだよ。多少の差はもちろんあるけれど、いつも平均点は絶対に出している。
E: そしてここもおばちゃんたちがイキイキ働いていた(笑)。
T: それはもう俺達の持論と言ってもいいやね。「なべさん」も作っているのはご主人、だけど具を乗っけたり給仕するのはみんなおばちゃん。
E: 良い店は全てによどみがない。京都の「ますたに」や名古屋の「江南」もそうだったけど、待たされても全然イライラしないもん。
T: それに「なべさん」は支店とかも出してないしね。
E: やっぱそれだよ。
T: 当然です。
E: つけ麺とかそういうのはもちろんやってないしね。
T: ウン(キッパリ)。
E: 大分って全然違うよね。
T: いやぁ、大分っていうか特に「なべさん」がね。
E: でも、行った店みんなそうだったじゃん。
T: でも、最近は魚ダシで味玉がのってるっていう今風のラーメン屋もいくつかできてるらしいんだよ。そういうのってやっぱり目新しいからそれなりに人気はあるらしいんだけどね。
E: 東京でハヤリの、こだわりの素材がどうのこうのの、ウンチクたれのしゃらくさいヤツね(笑)。
T: 「なべさん」とかはそういう次元じゃないんだよ。これまでも、これからもあの味をコツコツと守り、地元の人から愛され続ける、ブームとかなんとか全然関係ないところにあるんだよ。俺達がいつもブーブー言う店とは根本的なところが違うんだよね。
E: そういうのと一緒に括ること自体がおこがましいよ。「なべさん」みたいなところはけなしようがないもん。
T: だから、いつもの道場やぶり的醍醐味はないかもしれないけどね。まぁ、九州に、大分に、湯布院観光に行かれる皆さん、別府で「なべさん」と言えば地元の人はみんな知っているんで、場所を聞いてぜひ。
E: もうマスト。九州どころか日本のレベルで言っても完成度高いです。
T: 日本が世界に誇れる味のひとつ、だと思うんだよなー。言い過ぎ?
E: ふんふん。
T: 福岡や熊本からも「なべさん」を食べに来たりするくらい、九州のラーメン好きの間では有名な店なんだよね。あっ、ラーメン好きっていっても東京にいるようなネットでご活躍の方々とかではなくて・・・
E: おっ、出たね(笑)
T: ふつうのラーメンを好きな人っていう意味ね。そうそう、この前ネット見てたら「なべさん」のことを九州ラーメンのくせに濃くないって批判しているヤツいたな。
E: ウッ、なんて単純。
T: さっぱりしててギトギト感がなくてダメだって、九州ラーメンらしくないって・・・これを語り始めるとまた熱くなっちゃうから、やめとこ。
E: (笑)じゃ、次行くか。


T: 「なべさん」を食った後に、同じく別府に昔からある「宝来軒」という店へ。(※注:2005年に主人が病に倒れ、現在休業中。地元情報によると、もう復活はないらしい・・・(寂泣))
E: 向かいにポルノ映画館があったりして、あの場末な感じがたまらなく良かった(笑)。
T: 昔はあそこストリップ劇場だったんだけど、はやらなくなって映画館になったの。
E: ポルノ映画っていうよりもピンク映画だね、あれ。
T: 別府の人たちは成人映画と呼んでるよ。
E: アハハハハ・・・なるほどね。
T: 別府って昔は観光客がたくさん来る歓楽街だったから、シモネタ産業がいっぱいあってね。今はもう湯布院に取られちゃって閑散としてるんだけど、そういうのは残っているんだよね。
E: その「寂れた」という感じがモロそのラーメン屋にも出てて、だけどなーんか懐かしい感じがしたのよ。店の佇まいや店内に入った瞬間、デジャヴっていうか子供の頃こういう店来たことある、みたいな。造りが今のラーメン屋と全然違うでしょ。
T: 建物に味があるとでも言うか、由緒正しい居酒屋って感じもあるんだよな。
E: あれ暖簾がなかったらよそ者にはラーメン屋って絶対わかんない。
T: しかも暖簾ボロボロに破れてるし(笑)。
E: で、中に入るとすごい広い。
T: ふつうのラーメン屋の倍以上の広さはあるね。
E: そこにテーブルが中国の食堂とかによくあるような感じでズラッって並んでる、もちろんパーテーションなんかで区切ってない。昭和って匂いがプンプンして、とにかくいい雰囲気だった。
T: 床の土色になったコンクリもちょっとボコボコで、デコラ張りの4人がけのテーブル、イスもいかにもって感じのがいくつもあるんだよね。
E: 冬にストーブなんか焚いたらまたいいだろうなって思ったよ。あそこは雰囲気も味に加わるね。
T: 俺はココこそ子供の頃から来てるんだよね、兄貴がよく映画に連れていってくれてさ。
E: ピンク映画? ・・・そういう兄ちゃんかい、ウハハハ。
T: アハハハ・・・あのなー俺が小学生の時だってば。若大将シリーズとかゴジラ!
E: 「宝来軒」の近くの映画館も昔はちゃんとしたのやってたんだ?
T: 違うところ。別府は観光地だから人口のわりには映画館とかの娯楽施設が結構多くて、兄貴がしょっちゅう連れて行ってくれたんだよ。で、その帰りが決まって「宝来軒」。それが楽しみで楽しみで・・・。
E: ちょっといい話だね。その頃から店の造りとか全然変わってないの?
T: うん、まったく一緒。な〜んも変わってない。作っているおじちゃんも変わってないからおじいちゃんになっちゃてるし。
E: 肝心のラーメンだけど、「なべさん」以上におやつっぽかったね。すごく小さい。
T: 丼も量もカワイイ。あれお替わりできると思わない?
E: できるねー。かなりおいしいラーメンだったけど、俺にはちょっと味が濃かったかな。
T: でも昔からずっとあの味。ちょっとしょうゆが入ったような、なーんて言ったらいいんだろうなぁ。
E: しかもすごく安かったね、400円か450円くらいだもん。
T: メニューはラーメンと大盛、チャーシュー麺、それにワンタン麺のみ。
E: シンプルでいいね。そういえば大分のラーメン屋ってチャーハンないよね?
T: そもそも九州にチャーハンの食習慣ってなくない?
E: そう言われれば・・・ヤキメシか。
T: そうそう。しかもそれはラーメン屋じゃなくて定食屋みたいなところにある。チャーハンと冷し中華は東京の食いもんだね。こうやってみると食文化って全然違っておもしろいよね。
E: 俺さ漫画家になって東京に住むようになってから、一時期すっげぇチャーハンにはまったことがあってホボ毎日食ってたんだよ。で、その当時を思い出すチャーハンを出してくれる店が荻窪にあるのよ。「丸信」老舗ラーメン屋なんだけど、そこのが旨くてねぇ。(※注:現在はメニューからなくなりました)
T: それはヤキメシっぽいの?
E: いや、モロ東京のチャーハン。なるとが入っていて、パラパラで丸く盛ってある。
T: ふぉ〜ん。
E: これぞ俺の青春時代って感じでさ、すごいノスタルジック(笑)。最近そこに行くとチャーハンばっかり食ってる。
T: 昔を懐かしむ年頃になってきましたな、俺達も。じゃ、最近はラーメンまみれ状況からチャーハンにシフトしてんの?
E: そういうワケじゃないんだけど、その店に行くとね。
T: そういえば「宝来軒」に行ったの昼くらいだったけど、前の通り閑散としてたでしょ?にもかかわらずお客さんがどこからともなく来てたじゃん。
E: 別府って歩いてる人は少ないんだけど、ラーメン屋にはなぜかいっぱいいるんだよね(笑)。そう言えば「なべさん」も2日とも並んだじゃない。
T: 俺、これだけ長い間通っているけど並んだの初めて。いつも混んでるけど並ぶほどじゃないんだよ。まぁ、どっちもお昼ど真ん中くらいの時間だったからね。
E: 大分もラーメンブームなのかね?
T: そういうのとは全然関係ない気がするけどなぁ。
E: だけど人口密度のわりにラーメン屋多くないか?
T: そうなんだよ、昔から別府という町にはラーメン屋がアチコチにあって、老若男女が当り前に日々ラーメンを食っていてもう主食の重要なひとつになってる。だから俺がラーメンしょっちゅう食ってるのって単に以前からの習慣なんだワ。
E: 水俣にはこんなになかったよ。そういえば徳さんの友達が持ってたラーメン本の発刊日付を見たら91年くらいだったのよ、その頃にラーメンの写真が実物大で載ってる本なんて東京でもそうそうなかったでしょ。
T: そう言われれば、そうだね。
E: それも九州のじゃなくて、大分のラーメン屋の本だったじゃん。それを見て昔からラーメン文化が盛んな街なんだって思ったよ。
T: 10年以上前の本に紹介されてるラーメン屋がいまだに当り前にずっとあって、人気のある店っていうのも変わらないんだよ。
E: 別府の人にとってはもう切っても切り離せない食い物ってことか。本当にラーメンの町って感じ。
T: 話戻るけど、なぜか大分には「宝来軒」と名のついたラーメン屋がやたらと多いんだよ。
E: そういえば、結局たどり着けなかったけど次の日に行こうとしてた店も「宝来軒」だったよね?
T: ウン。そこは中津っていう別府から車で2時間くらいのところにあって、地元でも結構有名な店なんだよね。
E: 中津と別府の「宝来軒」はなんか関係あるの?
T: いや、ないと思うよ。たぶん暖簾分けみたいな感じでどんどん増えちゃったんだと思うんだけどね。
E: ホー
T: それとは別に「第二宝来軒」っていう店も別府にあったりする。(※注:この店も今はありません(大泣))
E: なんじゃ、それ(笑)。ややこしー。
T: 今もあるのかは知らないけど、第二は別府の「宝来軒」の支店で良い意味で味が微妙に違うんだ。ふつう支店を出したりすると本店の味も落ちることが多いけど、この2店は本当にいいレベルを保っているんだ。ところが味の方向性がちょっと違ってね、「第二宝来軒」のほうが好きっていう人もけっこういるんだよ。
E: へぇ、どう違うの?
T: なんて言ったらいいのかなぁ。しょうゆの入り具合が違うっちゅうか・・・
E: もっとアッサリ?
T: そういうのは同じくらいなんだけど、味わいの方向性が・・・より甘みがあるっていう感じかな。俺はどっちも好きだけどね。
E: 奥が深いぞ、別府のラーメン(笑)。
T: 「宝来軒」も地元に密着して、地元から愛されている素晴らしい店でした。
E: で、サイン会のあとはご想像の通り飲み会へとなだれ込みましたね(笑)。
T: 取材に来てくれた地元タウン誌の編集長とスタッフ、パルコブックセンターの人たちと散々食って飲んだあと、締めにラーメンを食いに行きましたね(笑)。
E: その人たちご推薦の「ばかうま」という店へ。
T: どちらかと言うと博多ラーメンの味に近かったね。
E: うんうん。
T: 俺さ、結構酔ってたんであんまりハッキリとは覚えてないんだけど、なかなか旨かったよね。
E: 行ったのは夜11時頃だったけど混んでた、きっと人気のある店なんだろうね。
T: 俺達と一緒で、飲んだあとにラーメン食うゾォって感じの若い人たちでいっぱいだったもんな。10年以上昔からあるみたいだしね。
E: 大分では博多っぽいラーメンはめずらしいのかな?
T: それはあるかも。
E: 大分は街のど真ん中にパルコや老舗のデパート、商店街があったりするんだけど、そこからちょっとだけ離れたところに歓楽街があって、そのど真ん中くらいにラーメン屋があった。
T: 何がビックリしたって、夜も遅いのに人通りの多さ。ここは渋谷かよってくらい若い人がウジャウジャいたよね。
E: 俺もあれは驚いたね。別府の人通りの少なさとのギャップが・・・。
T: 近くに公園があるんだけど、そこの夜の雰囲気が池袋西口公園にそっくり。
E: がんばってましたね、九州の若者も。
T: その日はさすがにそれで食い納め。翌日はまず泊まったホテルでしっかり朝飯。
E: 徳さんて名古屋のときもそうだったけど、いつもは朝飯食わないのに旅に出るとちゃんと食うよね。しかも結構ガッツリ(笑)。
T: なんか食わないといけないような気がしてさ・・・でも大分の朝はうまい具合にビュッフェじゃなかったから、ベストの腹具合だったね。
E: ラーメン食うのに?さっきも話したけど、その日は徳さんの友達2人が参加して、いざラーメンツアーへ!


T: これまたさっき話したようにいろいろあって「なべさん」を食って、そのあと国東半島へと向かいましたね。
E: 南こうせつが住んでる国東半島(笑)。
T: (笑)そこは歴史のあるお寺や石仏がたくさんあって、神秘的なイメージで語られたりしてるんだ。まぁそんな半島の突端に近いところにある「来々軒」という店に行きました。
E: 途中どうしてもコーヒーが飲みたくなって、偶然見つけた喫茶店に入ったんだよね。
T: 駐車場もあるし、ちょうどいいじゃんとか言いながら40男4人で入ったら・・・
E: すげぇ、アンニュイ。
E&T ウハハハハ・・・
T: 雨がまたその雰囲気を増長するんだけど、俺達に全くそぐわない。
E: 絵にならないって。
T: 外観も田舎町にしてはオシャレだったよな。
E: だけどまわりは田んぼ(笑)
T: ふつうのケーキ屋さんで、コーヒーも飲めますよという感じだからテーブルも2つしかない、しかも禁煙。
E: 俺達タバコすいたくて仕方なかったんだけど、我慢したよー。ラーメン食うからケーキもガマンしたよ(泣)
T: でもそれはそれで結構おもしろいもんだから、盛り上がったけどね。なんともいえない貴重な経験をしました。
E: しかも帰りにドアのところでボーっと立っていたら後ろから入ってきたおばさんの開けたドアに徳さん思いっきり頭ぶつけられちゃって・・・結構マヌケだった。
T: トホホでしたね。
E: で、気を取り直して「来々軒」へと。
T: またその店がどこにあるのかさっぱりわからなくてね。ラーメン本に地図は載ってるんだけど大雑把すぎてわからない(苦笑)。
E: ふつうの店のあり方と全然違う。駅の近くにあるって感じでもないし、商店街にあるわけでもない、ましてや大きな街道沿いにあるわけでもない。田舎の路地にポツンとラーメン屋があるって感じ。
T: だいたいあの辺電車通ってないもん(笑)。たまたま友達に地の利があったのと、偶然看板を見つけたから辿り着いたようなもんだよな。地元の人しか来ないだろうって店なんだけど、大分ではそれなりに評判があって、俺の友達が言ってたけど国東半島近辺で仕事の用があったら、そこへ行ってワンタン麺を食べなさいみたいな感じらしいよ。
E: その仰せ通り俺と徳さんの友達の1人がワンタン麺を注文して、徳さんともう1人がフツウのラーメン。
T: 隣の人のワンタン麺を見たら量がすごかったんで、俺は引いたね。
E: いやぁ、あれはね・・・。
T: なんていってもワンタンがデカイ(笑)、餃子が入ってるのかと思ったもん。
E: それが6個くらい入ってるから、かなり腹いっぱいにはなる。
T: ラーメンは400円ですごく安いんだけど、ワンタン麺はいきなり600円だったもんね。うっ、値段感覚がマヒしてる。600円でもすげー安いのに。
E: もともと徳さんはワンタン麺にそれほど未練を感じない人だもんね。
T: 好きなんだけどね。でも確かにワンタン旨かったよ、しょうがが効いててプリプリしてて。
E: ワンタン麺が有名なのはわかるよね。ここのスープも白くてクリーミーなんだけど、あっさりした味わい。ただ、「なべさん」と比べちゃうと旨みに集中感がなかったかな。
T: おっ、言うようになったね〜。(笑)もちろんおいしいんだけど、びっくりするほどじゃなかったのがちょっと残念。
E: 大分市内や別府とはちょっと違うラーメンだったよね。場所的にちょっと北九州寄りだから、少しグラデーションがかかってるのかもしれないね。
T: うん。
E: 来る人みんな馴染みって感じだったじゃん、家族連れもいたし。
T: だから、遠くからわざわざ食べに行く店かというとそうでもないんだけど、あの町にちゃんと定着してて地元の人にとってはすごく大切なお店なんだと思うよ。そういうお店について俺達が何かを語るなんておこがましいよね。
E: その通り。テーブルが2つだけの小さい店なんだけど、典型的な町のラーメン屋さんって雰囲気だったもんね。今回は結果的にそういうお店ばかりだったよね。
T: これは大分が俺の地元だからっていうわけじゃなくて、それが熊本でも北海道でも地元の人に愛されてる店って、基本的には正しい店だよね。
E: それは間違いないよ。
T: 今回は褒め殺し編になってしまいましたけど。
E: 本当にそうなんだから仕方ないよ。さて、次は?
T: 江口さんさ、相変わらずラーメンに対しては積極的だよね。じゃあ、初の予告編やりますか?
E: では、ご一緒に。
E&T 福岡です!!
T: またまた、サイン会で行きまーす(笑)。
E: 俺はね、福岡には言いたいことたくさんあるのよ。
T: なんでよ?
E: 博多人の押しの強さとか、九州でイチバンの都会さーという態度とか(笑)。
T: なんだよラーメンとは全然関係ないじゃん。でもそう言われれば確かに熊本や大分出身の俺達から見ると、そういうところがあるかもね。もちろんみんながみんなそういうワケじゃないんだろうけど・・・
E: でも俺は声を大にして言いたい、熊本のほうがオシャレだろーーーと。
T: なんだ、そりゃ?
E: 誰も同意してくれないんだけど、熊本の街とか若者のファッションってオシャレじゃない?
T: いや、俺は少し同意する。
E: でしょ?
T: 昔、江口さんと一緒に行ったとき、仕事の後街をプラついたじゃん。実はあの時ビックリしたんだ。だって歩いてる若者オシャレだし、街自体にいい匂いがしたんだよ。広島にも同じものを感じたんだけどね。
E: 確かに同じ匂いがあったね。
T: その街独自のものがあって、なおかつピンピンとくるもの、説得性に欠けるけど確かにそう感じるものがあったんだよ。
E: いろんな店の造りや雰囲気もしゃれっ気があってビックリしたもん。熊本人ってわりと順応性が高いというか、取り入れて変えるのがうまいような気がするんだよね。
T: だけど左門豊作いるじゃん。
E: いねえよ!ありゃ漫画だよ(笑)!でもま、そんなイメージあるね、わりと無骨でヤボったいというか。でも全然違うんだよなー、熊本県人ってわりとナヨナヨしてるんだよ。
T: まぁ、熊本賛歌はこのへんにしておいて(笑)。でも博多には昔からある店や、ハヤリの店なんかが混然一体となっていて、いろいろ楽しめそうだよね。
E: そうそう、それを言いたかったんだよ。博多にラーメンの大きな文化があるのは間違いないからね。語ること一杯あるでしょ、きっと。久々に暴れるぞぉー!
T: 待っとけよ〜博多〜〜
E: オー!


 ・・・と、「もうすぐにでもアップしちゃう?!」くらいの超高テンションで語っておりますが・・・ご想像通り・・・なーんもやっとりません。あははは・・・。
 だからといって、先ちゃんと徳さんのラーメンへの情熱が冷めたワケではなく、相変わらず積極的に臨む姿はちょくちょく目撃しますので、もしかしたらまた近々更新できる・・・かも(先刻ご承知かとは思いますが、「話半分以下」くらいの軽い気持ちでどうぞよろしく)。
 そうそう、実は珍&嬉ニュースをもうひとつ。幻の人気コンテンツ(?)「極楽CD」が近々カムバック!!
 疑り深いそこのアナタ、その気持ちはとてもよーく理解できますが・・・コレ本当。なんせ対談はもう終わっているんですから。ウフフフ。やる時はやるのサ。では、お楽しみに〜〜。

(まとめ人/斉藤真理)